飲酒・喫煙・依存症

毎日オリンピックを辞退した女子体操選手のニュースが上がっている。
しかし彼女の喫煙や飲酒を、依存症として報じるニュースはまだ見ていない
依存症とは、やめたくても、やめられない状態で、
「物質への依存」と「プロセスへの依存」に分けられる。

「物質への依存」はアルコールやニコチン、薬物など。
「ニコチン依存症」
脳内のニコチン性アセチルコリン受容体に結合すとことにより、
快楽に関わる脳内神経伝達物質であるドーパミンが大量に放出され、強い快感を得る。

「アルコール依存症」
長期の飲酒により脳内の報酬系の神経機能に変化が生じ、脳機能の障害を引き起こしてしまう病態で、
これもドーパミンが大量に放出され、強い快感を得る。
アルコール依存症については、徐々にではあるが精神疾患だと認識されるようになってきた。

「プロセスへの依存」は、ギャンブル、ゲーム、買い物、性依存、自傷癖など。
「性依存症」
性的な興奮や刺激に溺れることが習慣化し、徐々に自己コントロールを失っていく。
ギャンブル依存や買い物依存などと同じく「プロセスへの依存」に分類される。

FXや株取引にハマって沼る人だって、
「次はきっとうまくいくはず」や「マイナス分を取り戻さなければ」という思考は、
体の良いギャンブル依存症みたいなもので、金銭トラブルや家族トラブルが起きやすくなるのは同じ。

水泳選手の時も多目的トイレの芸能人の時も「性依存症」のことについては、
まったくと言って良いほど触れられなかった。
それは、病気のことについて触れるより、
法を破る、訴訟などの話題のほうがキャッチーで話題になるだからだと思う。
今回の女子体操選手の一件も、ニコチン依存やアルコール依存のことには触れられていない。
コントロール障害で片づけられては、ニュースとして面白くないからだろう。

依存症という病気は、周囲がいくら責めても、本人がいくら反省や後悔をしても、
また繰り返してしまうのは脳の問題なので、「 根性がない」とか「意志が弱いから」ではない。
依存症は、条件さえ揃えば、誰でもなる可能性があり、特別な人だけがなるわけではない。
依存症は特定の行為を自分の意思でやめたり、減らしたりできない病気。

それらの依存症を克服するべく、回復に向けて依存症者は日々精進している。
腐ったり自暴自棄になっては、面白おかしく報道するヤツラの思う壺だ。


つづく。



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