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異状死について

今年の暮れは暖かいといっても、早朝はかなり冷え込む。
気温が低くなるとノラたちの動きも鈍い。
2歳のチビは元気だが、年齢不詳のサビ母さんには夏の猛暑に加え、冬の寒さは堪えるようだ。
朝4時に俺が雨戸を開ける音で目を覚まし、サビ母さんとチビが暗闇の中餌場にやって来る。
娘のクロは寒いと出て来ない。

3年前の夏にウチの倉庫でクロを産んだサビ母さんは、人間を近寄らせない生粋のノラだった。
避妊手術で「さくらねこ」にすべく捕獲かごを設置したが、捕まえるまでに1か月近くかかった。
そんな彼女も年老いたせいか、2か月前くらいから頭を撫でるまで接近できるようになった。
最近は食も細く、毛艶もあまり良くない。
なので、たまにサビ母さんにだけ栄養補助として試供品のウェットタイプ小袋を与えている。
みんなウェットタイプのキャットフードには目がない。奪い合いになってしまう。
そんな時、若猫の食欲とスピードに付いて行けないサビ母さんは少ししか食べることができない。
クロとチビの目を盗んでサビ母さんだけに与えるのに苦労している。

俺は寒い早朝に事務所の石油ストーブを点けることにしている。
室内が温かい事を知っているサビ母さんは、俺が玄関戸を開けると中に入って来ようとする。
気温の低い時間帯だけは中に入れてやりたいが、室中には猫エイズキャリアの飼い猫のシロがいる。
それに、それをやってしまうと「さくらねこ」のルールに反してしまう。
「繁殖防止と餌付けとトイレの管理だけ」、これを守らないとノラではなく飼い猫になってしまう。
「入れて」と目で訴える彼女に「ごめんね」と言い、心を鬼にしてドアを閉める毎日だ。


東京23区では検案や法医解剖が必要な「異状死」が増えていると言う。
そのうち、約7割が65歳以上で独居の人の異状死が多くなっているそうだ。
いろんな背景があると思うが、コミュニティーが減り人とつながる場が減っていっている。
そうなると、先日年賀状について日記に書いたが、
生存確認のためにも年賀状やメールも大切なコミュニケーションツールだなと思う。

未婚が増えているからではない、既婚者でも子供が独立して実家を離れ、
夫婦のどちらかに先立たれれば独居となる。
昔のような長男が家と墓を守る時代ではない。

逆を言うと、病院のベッドの上で最期を迎える人が多い中、
年老いてもギリギリまで自宅で生活ができて、住み慣れた自宅で天寿を全うできるのは、
ある意味で幸せなことなのかもしれないが。

アルコール依存症の人にも異状死は多い。
俺の入院していた精神科病院の医師の話に、退院後通院していない人のお宅に訪問すると、
悲惨な状態で発見されることもしばしばあると聞く。
そういった観点から、病院への通院や自助グループへの参加は、
人とのつながりを無くさないための場を提供することに一役買っていると思う。


つづく。


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