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解体と改築

先週の長女の週末帰省に続き、昨日突然長男がこの3連休を利用して帰って来た。
帰省の理由は、お彼岸と敬老の日を兼ねてだそうだ。
今年来ないと来年から何年かは地方勤務となるのでしばらく来れなくなるからだとも言っていた。
赴任先はまだ決まっていなく、2月になるまで北になるか南になるかもわからないそうだ。
息子を迎えに行く途中に買い物もあったので妻も同乗した。
俺はホームセンターで堆肥&肥料、妻はJA直売所で野菜を買ってから駅に向かった。
いつもと違う路線の電車で来るというので、その駅まで迎えに行き息子をピックアップして、
お彼岸と言うこともあり、渋滞気味だったのでバイパスを下り、
国道から県道に格下げとなった街中の道を走った。
久しぶりに走る道だったので、街の景色が数年前と変わっていた。

最近、車で走っていると家屋解体現場を目にすることが多くなった。
特に駅近くの街中が多いような気がする。
国道には渋滞緩和からバイパスが増え、人通りの多かったかつての市街地は閑散としている。
そしたら、俺の中学の同級生が住んでいたお宅も解体されていた。
彼はだいぶ前から別のところに住んでいて、その家は何年も空き家状態だった。
これも時代の変化なんだなと感心するも、少し寂しい気もした。

一方、俺の住む田舎でも家屋の取り壊し作業をしている風景はたまに見るが、
解体よりも大規模リフォームのほうが多い気がする。
家を解体するお宅は住む人が居なくなって相続の関係が多く、建て替えではなく更地となる。
大規模リフォームするのは、行政の移住促進のための空き家バンクに登録した人が多いのかも。

ウチの近所では小規模のリフォームをする人が多い。
その理由は、お施主さんと奥さんの2人暮らしでお子さんたちは都市部に住んでいるので、
「俺たちがあと何年か住むだけだから金掛けなくて良いんだよ」と言う。

我が家もそのお宅と似たようなもので、
職業柄壊れた箇所をその都度ちょこちょこと自分で直している。
我が家は俺の祖父が昭和初期に建てたもので、元の建坪は10坪しかなかった。
それから、倉庫の一部を部屋にしたり、工場の2階に部屋を乗っけたりして、
秘伝のたれをつぎ足しつぎ足しのウナギ屋かそば屋の老舗みたいな家で、
学生時代に初めて来た友人は、トイレから俺の部屋まで帰って来るのに何度も迷ったそうだ。
そんな我が家も子供たちは3人とも独立し、別のところに住んでいるので建替えは無い。
それに、建替えたくても土砂災害危険区域に指定されているため、新築の確認申請は通らないだろう。

何年先になるかわからないが、ばあちゃんと俺たち夫婦の3人がこの世に居なくなったら、
我が家もいづれ空き家となるだろう。
家も土地も墓地も、不良在庫となりかねないので極力子供たちには迷惑を掛けたくない。
彼らに何を残せるか?というよりどれだけ迷惑を掛けずにいられるか?

である。


つづく。


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