チビの復活劇
妻のドライヤーの音で目が覚めた。
妻の夜型にも程がある。
「あれ、もう起きるの?」って、かんべんしてよ~。
昨日の朝、瀕死の状態だったチビの具合だが、現在は元気に走り回っている。
今朝も、「腹へった」と、夜明け前から俺を玄関まで迎えに来るほどの回復力。
前日までのギリギリの状態がまるでウソのようで、チビ自身も覚えていないのかもしれない。
目が虚ろで口を半開きにし、小刻みに震えながら尿を垂れ流している姿を見て、
俺はチビをブラッシングしながら、
「短い間だったけどありがとう、楽しかったよ」と、ちょっと泣いた。
しかし尿路が開通してからは信じられないほどの復活劇だ。
今朝もしきりにエサをねだってくる姿を見て、「心配させやがって」と荒めに背中を撫でた。
まったく親の心子知らずである。
俺も14年前のクモ膜下出血開頭クリッピング手術の時、
それに7年前に精神科病院に護送されたとき、
ともに医師から妻は、「72時間以内に変化が起きたらもしものことを考えてください」と、
「死」の覚悟をさせられたそうだ。
くも膜下出血の時には、術後2日間はICUで眠ったままだった。
精神科病院では保護室で点滴に繋がれ解毒中は半分夢の中だった。
そんなに大変な一大事だったことは後から聞かされたはなしだ。
どちらの時も、本人は体調は優れなかったが生と死の狭間をさ迷っていたとは思っても見なかった。
妻の心夫知らずである。
チビは猫だから、「ヒトの恩を感じろ!」と言うのは無理なはなしではあるが、
俺は人間だから、今生きていられることに感謝し、妻や家族そして周囲の人たちに対して、
一生をかけて反省と感謝と罪滅ぼしをしなければならない。
これは生き残ってまた今の生活を送れているアルコール依存症者全員に言えることである。
「酒で死ねたら本望だ」なんて、自己中心的で人の迷惑など全く考えていない最低の発想だ。
無人島で勝手に酒に溺れて勝手に死んでいくならば良いが、現代社会ではそれは通用しない。
少なからず周囲の人たちに迷惑をかける。
断酒だって、自分一人でできていると勘違いしている人も居るがそうではない。
周りの人たちの協力があって、今はたまたま飲まずに居られているに過ぎない。
俺も酒の飲み過ぎでアルコール依存症にならなかったら、
今でも人に心配をかけて自分勝手な飲み方をしていたことだろう。
人は日々、努力、反省、感謝の気持ちを忘れてはならない。
俺は今、酒が無くても普通の生活を送れている。
逆に、依存症になったからこんな考えになれたのかもしれない。
こんな気付き方も恥ずかしいだけなのだが。
つづく。
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妻の夜型にも程がある。
「あれ、もう起きるの?」って、かんべんしてよ~。
昨日の朝、瀕死の状態だったチビの具合だが、現在は元気に走り回っている。
今朝も、「腹へった」と、夜明け前から俺を玄関まで迎えに来るほどの回復力。
前日までのギリギリの状態がまるでウソのようで、チビ自身も覚えていないのかもしれない。
目が虚ろで口を半開きにし、小刻みに震えながら尿を垂れ流している姿を見て、
俺はチビをブラッシングしながら、
「短い間だったけどありがとう、楽しかったよ」と、ちょっと泣いた。
しかし尿路が開通してからは信じられないほどの復活劇だ。
今朝もしきりにエサをねだってくる姿を見て、「心配させやがって」と荒めに背中を撫でた。
まったく親の心子知らずである。
俺も14年前のクモ膜下出血開頭クリッピング手術の時、
それに7年前に精神科病院に護送されたとき、
ともに医師から妻は、「72時間以内に変化が起きたらもしものことを考えてください」と、
「死」の覚悟をさせられたそうだ。
くも膜下出血の時には、術後2日間はICUで眠ったままだった。
精神科病院では保護室で点滴に繋がれ解毒中は半分夢の中だった。
そんなに大変な一大事だったことは後から聞かされたはなしだ。
どちらの時も、本人は体調は優れなかったが生と死の狭間をさ迷っていたとは思っても見なかった。
妻の心夫知らずである。
チビは猫だから、「ヒトの恩を感じろ!」と言うのは無理なはなしではあるが、
俺は人間だから、今生きていられることに感謝し、妻や家族そして周囲の人たちに対して、
一生をかけて反省と感謝と罪滅ぼしをしなければならない。
これは生き残ってまた今の生活を送れているアルコール依存症者全員に言えることである。
「酒で死ねたら本望だ」なんて、自己中心的で人の迷惑など全く考えていない最低の発想だ。
無人島で勝手に酒に溺れて勝手に死んでいくならば良いが、現代社会ではそれは通用しない。
少なからず周囲の人たちに迷惑をかける。
断酒だって、自分一人でできていると勘違いしている人も居るがそうではない。
周りの人たちの協力があって、今はたまたま飲まずに居られているに過ぎない。
俺も酒の飲み過ぎでアルコール依存症にならなかったら、
今でも人に心配をかけて自分勝手な飲み方をしていたことだろう。
人は日々、努力、反省、感謝の気持ちを忘れてはならない。
俺は今、酒が無くても普通の生活を送れている。
逆に、依存症になったからこんな考えになれたのかもしれない。
こんな気付き方も恥ずかしいだけなのだが。
つづく。
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