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義務外泊で飲酒

7月最終日、今日も暑くなるだろう。

5年前の今日、精神病院入院中であった俺だが、
1回目の義務外泊ということで、4か月ぶりに帰宅した。
俺の入院していた病院の断酒プログラムの中には、
「退院前に義務外泊を2回」という制度があった。
1回目はお盆が近いので墓地の清掃、
2回目は退院間近だったので、近所の断酒会例会に参加した。

久しぶりの家の食事、家の風呂、家の布団は気持ち良かったのをおぼえている。
だが家族と食事をしていても、恥ずかしいと言うか気まずいと言うか、
自分の家なのに、居場所が無かったのを覚えている。

そしてその1回目の義務外泊の時、事件は起きた。
炎天下の墓地清掃で、のどが渇いたのでコンビニへ。
入院前のクセで、俺は缶チューハイを買って飲んでしまったのだ。
それは飲酒欲求とは別なもので、条件反射いわゆるパブロフの犬みたいなもの。
乗り慣れた車、見慣れた景色の中では、
精神病院で過ごした4月から7月の間は、空白の時間となっていた。
コンビニに寄る = 缶チューハイを買う
という頭と身体になっていた。
プシュッっと開けた時、一瞬罪悪感に襲われたが、
酒を断って3か月の断酒ビギナーの俺は、酒の誘惑に勝つことは無かった。

俺の顔色と呼気で妻に簡単に見つかり、酷く怒られた。
そして病院にもチクられた。
義務外泊を終え病院に戻ったら、反省文も書かされた。
担当医には、「退院が少し伸びるかもしれませんね」と脅された。

あれから5年、俺の断酒記録は更新され続けている。
もし退院しても、家族や自助グループが無かったら、
再飲酒して再入院していたことだろう。
家族、特に妻がいなかったら、病院にも入院していなかっただろうし、
今、生きていなかったかもしれない。

鬱からアルコール依存症、肝硬変にもなったし肝臓がんにもなった。
普通の人より寿命が短いことは、俺自身が承知しているが、
残された人生を、日々有意義に過ごそうと思っている

つづく。


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