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サビ親子に変化が

サビ親子は、ちゃんといつもの場所で眠っていた。
夜明けと共に、母猫が朝ご飯のおねだりに来た。
用意しておいたカリカリの袋を手に餌場の近くまで行くと、
母猫に「フ~ッ」と、威嚇された。
「なんだよ、ご飯持って来てあげたんだろ?」と言うと、
一変「にゃ~~」とおねだりの声に変わった。

餌場に朝ご飯を用意すると、
母猫とクロが並んでカリカリを食べていた。
しかし、やはりそこにはサバの姿は無かった。
ゴハンを食べながらも、母猫は周りを気にしている。
クロも半分ビクビクしながらの食事のように見えた。

母猫としては、さんざん探してやっと再会できた子供を、
また取られないように必死なのだろう。
子猫も、どんなに怖い経験をしたのか、
失踪前とは様子が違った。

俺も休日だったのでサビ親子の食事中、
そしてたまに午前中の日向ぼっこに付き合った。
日向ぼっこ中にも、サビ母さんはクロを連れて何度も散歩に出ていた。
散歩というよりも、居なくなったサバを探しに行っているのではないか?と思った。
クロも今まで倉庫の中から出たことが無かったのに、
2日間の放浪生活の経験からか、屋外にも物怖じせず母猫に付いて行く。

親子の日向ぼっこの時間は、
事務所のネコが気配を感じて「ニャー」と鳴くのでわかる。
窓から顔を出すと、事務所の玄関先に仲良く座っている。
たまにメダカの水を飲む。
メダカのエサの味がして、真水より美味しいのかもしれない。

昼間に、里親になってくれる予定の人から電話があった。
子猫の様子を見に来たかったらしいが、
ここ数日の出来事で、親子がとてもデリケートな状態だということを話して、
昨日の来訪は見送ってもらった。

辺りも暗くなり、夕ご飯を持って行ったときには、
サビ母さんとクロも、お出かけから帰って来ていた。
心なしか、親子の俺を見る目が穏やかになっていたような気がした。
少しは落ち着きを取り戻したのかも知れないな。

しかし、やっぱりそこにはサバの姿は無かった。
最悪のことも視野に入れながら、
気長に帰って来るのを待とうと思う。

つづく。


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