断酒5年、気持ちの変化

断酒を始めて丸5年、
酒を飲んでいたころよりも現在のほうが、
人間らしい生活を送れるようになった気がする。

2年前からのブログの内容を読み返してみる。

最初は、アルコール依存症になるまでの経緯から始まり、
5か月の精神病院入院時の模様、
保護室　→　閉鎖病棟　→　開放病棟　→　閉鎖病棟　→　開放病棟
保護室と閉鎖病棟では、起床から消灯まで3度の食事と服薬だけ、
開放病棟に移ってからはアルコール依存症についての勉強や、
院外研修としてＡＡや断酒会の例会を回った。
仕事の心配もしない、家族のことも考えない、社会とは断絶された世界。
週に2回、妻に洗濯物を持って来てもらうことだけが楽しみだった。
妻にお小遣いをもらい、テレホンカードとジュースを買った。
まるで子供だ。
「俺、このまま終わっちゃうのかな？」と、入院初期は思っていた。
妻も「この人、もうダメかもしれない」と、本気で思っていたそうだ。

退院してからの半年間は、断酒会の例会出席と散歩しかしなかった。
頭も体もフワフワした状態だった。
断酒も5年となると、酒のない生活が当たり前となり、
頭も体もスッキリして、以前よりも充実した日々を送っている。
ただし、肝細胞癌だけは計算外だった。
計算外とは言っても、「癌にだけはなりたくないな」と思っていたので、
考えないようにしていただけなのではあるが。

1年前の今頃のブログは、
依然としてコロナ渦ではあったが、
肝細胞癌切除手術をきっかけに、仕事に家庭に意欲的になっていた。
というか、人生の逆算を始めて、
焦っていた、生き急いでいた。

それから1年経った現在はというと、
まあ、再発や転移があれば、
「そうなったら仕方ない、生きられるだけ生きるよ」
という考えに落ち着き始めている。

結局、今を一生懸命生きるしかないんだよな。

つづく。



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