SSブログ

コスパ、タイパ

最近コスパやタイパについて話題にされる事柄が多い。
めんどくさいことや時間がかかることを嫌い、楽をして得をすることこそが正解といった風潮だ。
「急がば回れ」は時代遅れなのか?
長期間の修行を経て身に着けた技術や人脈も無駄なのか?
コスパやタイパで浮いた金や時間を、趣味やゲームに費やすことは無駄ではないのか?

俺も空白の時間を嫌い、早く答えを求める傾向がある。
スケジュールを詰め込んで、余った時間を次の仕事で埋める作業をしがちだ。
その思考の根底には、「ヒマな時間に飲酒欲求が起きたらヤバい」という不安がある。
断酒7年目でも、まだまだ気持ちにゆとりが無いのだ。
過去の俺は、年間20~30万円、700時間くらい飲んでいた。
断酒している今から考えると、コスパもタイパも悪かったと言える。

コスパやタイパのメリットとしては、
金や時間を効率的に使える、他の物事に割ける金や時間が増えるなど。
しかし、結果重視の考え方になると、過程を楽しめなくなり、
小さな変化に気づく感性が鈍ってしまう恐れがある。
それに、短い時間でより多くの情報に触れることになるということで、
都合のいい情報ばかり集めるようになる。

酒飲みにとっての、終業後の飲み会などのコミュニケーションも無駄なのか?
たしかに酒やたばこは体に悪い影響を及ぼすことはわかっている。
酒を飲んで他人に迷惑をかけたり、ケガをするまで飲むのは行き過ぎだが、
断酒継続中の俺は、飲んでいた時の昔話、特に失敗談を今でも普段の会話の中に組み込んでいる。
飲みの場で打ち解け合った仲間や楽しかった思い出を無駄だとは思っていない。
失敗した経験があるからこそ、今後は言動に注意するようになる。
失敗と言っても致命的な失敗ではない、笑い話で済むくらいの失敗談だ。

ヒヤリハットと言う言葉がある。
重大な災害や事故に直結する一歩手前の出来事のことで、
「ヒヤリ」としたり、事故寸前のミスに「ハッ」としたりした経験から、
事故を未然に防ぐということだ。

俺はアルコールに対して「ヒヤリハット」が足りなかった。
これほど精神や内臓にダメージを受けるとは思ってもみなかった。
今になって痛いほど反省しているが、家族や医師から飲み過ぎを注意されても馬の耳に念仏だった。
周りも俺と同じような考えの人が多かった。
酒が原因で入院したり、お亡くなりになられても、
「あの人は酒が好きだったからね~」と、
自分の飲酒を否定されたくないがために、他人事で済ませていた。
酒飲みは皆、飲酒を否定されたくないから、自分にとって不都合なことは話さない。
ギャンブル依存症の人もしかり、武勇伝ばかりを語り負けたときのことは話さない。

俺みたいにキズが深くなる前に、コスパやタイパを考えるのもアリだと思う。


つづく。


にほんブログ村 メンタルヘルスブログ アルコール依存症へ
にほんブログ村


アルコール依存症ランキング
アルコール依存症ランキング













nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。