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大合併、負の遺産

平成の大合併も人口減少それから、高齢化といった状況の中で税収が減ってくる。
サービスが高度化せざるを得ない中、地方自治体にはそれが大きな問題となっている。

町村合併に伴う施設や事業の統廃合が進まない。
無駄な公共施設の整理統合は総論賛成各論反対が常。
地元選出の議員も、使用頻度の低い公共施設の整理統合なんて言い出したら、
地元住民から総スカンとなり票が減るので言えない。
議員なんて落選すれば、ただの無職の人だからね。
それに、学校も職場もない、車が無いと生きていけないような不便な土地からは、
若い人が皆逃げ出し、高齢者だけが悲惨な目に遭うという構図。

平成の大合併が悪いわけじゃない。
むしろ、その程度規模の自治体が残ったことが誤りだったのだろう。
財政再建が必要な自治体は、隣町への強制的な吸収合併など、
単独での再建が難しいなら、ある程度大胆な構造変更が必要なのかもしれない。

平成の大合併は、国がたくさんある自治体の数を減らして交付金を減らすため。
利権が絡み合併したところは、新しい庁舎を建てたり施設の統廃合をした。
そういうものには国は金を出し、有利な支援制度を作った。
それに飛びついて、投資をした自治体はこれから大変になるだろう。

なぜ合併したのか理解していない議員や住民たちがそこにいる。
スリムな町づくりをしないとたちまち財政難に陥る。
少子高齢化と人口減少で財源不足となるのは当たり前のはなしだ。

市町村職員の採用を控えるといった案もあるだろうが、
目先の人件費削減で、やってますアピールをするのも良いが、
それをやってきた企業が、年齢層の偏りや氷河期世代を大幅に絞った結果、
中堅層がスカスカとなり非正規採用が多くなったことを忘れてはならない。

合併して施設の統廃合を進めて維持管理経費を削減しようとしても、
結局は住民が反対して、その地域の議員が自分の実績のために残すように動く。
そうやって無駄な施設がいつまでも残り、維持管理やら人件費がどんどん嵩む。
施設もいつまでもピカピカではない、古くなるほど管理費は増える。
行政が上手に進められなかったのも良くないけど、議員もそれを支える住民も悪い。
ましてや新採用を控えるなんて、目先のことしか考えていないとしか言えない。

ウチの地自体も平成の大合併で同規模の町同士が合併しその合併特例債で箱モノが増えた。
議員も、住民全体の代表と言うより地元住民の代表となっている。
だが徐々に人口は右肩下がりで高齢化率が上がるばかり。
若者はその不便さから高校卒業と同時に故郷を離れ、特に山間部では爺さん婆さんしか残っていない。

山間部は、面積は広いが人口は少ないので選出議員数も少ない。
中小弱小企業と同様に、淘汰される運命を感じざるを得ない。
寂しい話ではあるが、割り切って子や孫のために、
農地や山林を含め土地家屋の整理をし始める人も多くなるだろう。


つづく。


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