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「結婚=嫁ぐ」という感覚

俺たち夫婦は同い年だ。
28歳の時長女、30歳で次女、32歳で長男が生まれた。
長女と長男の年の差は4歳、短いスパンのように感じられるが、
周囲を取り巻く環境は、その4年間でがらりと変わった。
バブルの余波の記憶がある俺たち世代から、
第二次ベビーブームと就職氷河期世代の転換期だ。

長女の時は両親がそろい2人兄弟の子が多かった。
4歳下の長男の時は片親でひとりっ子が増えた。
そのころから子供の人数も見る見る減り始めた。
核家族化が加速し、三世代が居住するお宅がわかりやすく減った。
若い人も住み慣れた我が家を後にし、都市部へと移住した。
嫁入り、婿入り、実家を守るという言葉を聞かなくなっていった。
そして周囲は、すごいスピードで高齢化が加速した。

「私はこの家に嫁いだわけではない、あんたと結婚したんだ」
俺が家業を継ぐことになり、第一子の長女が産まれ、実家暮らしとなったころ、
そう妻に言われたことを思い出した。
俺たちのころはまだ結婚式も挙げたし、なんちゃって仲人も頼んだ。
もちろん結納もしたし、結納金もたったし結納返しで家具家電を揃えたりもした。
結婚式自体も家と家の式みたいなところも残っていた。
披露宴の席次表を決めるときに、俺も妻も知らない人の席が多かった。
親たちとも、「ダレの結婚式?」と、口論にもなったものだ。
結婚資金も自分たちで貯金していたが、結納金も出してもらい、
披露宴も大きくなってしまい半分くらい両親に援助してもらった手前、
家と家の結婚式を渋々承諾するしかなかった。
今は、結納も結婚式もしないカップルが多いし、どちらかの親と同居することも少ない。
家と家の結婚といった、今まで通りの結婚のカタチは崩壊している。

「結婚=嫁ぐ」という感覚
昔は「一度嫁いだら実家の敷居をまたぐな!」などと言って嫁に出されたそうだが、
昔と違い「お姑さん」という言葉を聞かなくなってきた。
かつて「舅、姑の面倒は嫁がみて当然」と思われていた時代もあった。
今は、妻が結婚生活に耐える、我慢するなんてことはない。
共働き夫婦の増加から、育児家事の支援を当て込んで妻の実家近くに住む夫婦も増えている。
10数年ほど前までは「長男より次男のほうがいい」と、
結婚したい女性たちの間で言われていたが、昨今はあまり聞かない。
古い感覚の親世代はまだ言っているかもしれないが、
これだけ結婚の価値観の多様化・ライフスタイルの多様化が進んだ現代において、
「結婚=嫁ぐ」は、ほとんど死語と化している。

今の若い人の、
「結婚=めんどくさい、不利益」
「子供=贅沢」
と言うのもわかる気がする。

つづく。


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