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大廃業時代

関連業者さんから電話があった。
「そろそろ工場を畳もうと思うんだ、電話ですまんな」と。
話を聞くと、大口の取引先の経営難によって仕事を切られたそうだ。

ウチもその人とは少し違う形だが、ここ数年は非常に厳しい経営状態だ。。
請負単価は上がらないのに、コロナ禍に加え、材料費高騰、光熱費値上げ、
そうなると人件費を下げるしかない。
たとえブラックと言われようとも残業や休日出勤は、「無かったこと」として目を瞑るしかない。
大企業は社員の年収UPを声高に訴えているが、深海魚の我々にまでは届かない。
元請けの私腹を肥やすため、逆に下請けの我々は値引きをさせられる始末。

今後、個人事業主や零細企業は「隠れ倒産」が激増する。
倒産数自体は減っているが、いわゆる隠れ倒産は凄まじく増加している。
経営難に追い込まれた個人事業主や零細企業は、
休業や廃業、解散という形で、続々と会社をたたんでいる。
これは倒産ではないので、倒産件数にはカウントされない。

30年に及ぶ経済の低迷に加え、3年以上も継続するコロナ禍と、
ウクライナ戦争の継続は景気の冷え込みに追い打ちをかけている。
原油高や円安を背景に材料費が高騰し、売上げが減少し、
コロナ融資の返済が本格化する中で、経営が圧迫される中小あるいは零細の企業が多い。

メディアは「後継者がいない」、「人手不足」と盛んに報道するが、
実際には利益が薄いからである。
倒産の理由はコロナ禍やウクライナ戦争の影響もあるが、
最も多いのは物価高と人口減少による販売不振と推察される。
休廃業・解散は、倒産と違って借金などの負債を残さないので、
従業員や取引先にあまり迷惑をかけずに会社を閉じることができてしまう。
企業体力が多少なりにも残っているうちに休廃業に踏み切る中小・零細が増えている。

それに、中小・零細企業は経営者の高齢化問題が深刻だ。
後継者が不在で、事業継続を断念する社長も多い。
というか、積極的に「後を継ぐな」と言っている。
そこにコロナが重なり、廃業を選択する人が増加している。

製造業では大企業が自社生産するようになり、下請けに回る仕事が少なくなり、
三次下請け、四次下請けの小・零細企業の仕事は先細りになった。
また大工、左官、とび職、襖屋などの建築関係の専門職も、工法や仕様などが様変わりした。
省力化も進み、専門的な仕事は不要となる傾向で、匠と呼ばれる人たちは廃業を余儀なくされる。
街を見ても、チェーン店とコンビニばかりで独自色が薄い。
街道沿いや駅前は、どこも同じような景色だ。
まあそれで安心できるならば、つまらないがそれが正解なのだろう。
日本経済を支えてきた中小・零細企業が消えていく。
コロナ禍から「大廃業時代」が加速しそうな予感。


つづく。


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