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「キレる」

「キレる」と言えば、一昔前はささいなことで逆上する「怒れる若者」を指すことが多かった。
だが今の時代はそれが中高年、特に高齢者に移り変わっている。

年齢を重ねるとホルモンの減少などで活動的ではなくなるのだが、
老化による脳の萎縮で「怒り」という感情を抑えるブレーキは利きにくくなる。
有り余るプライドが高齢者の怒りの原動力になっている。
そんな人の発するメッセージは「尊敬の強要」である。
本来は高齢になると寛容になるはずだが本能は環境次第で誤作動する。

亭主関白が良しとされた時代を生き抜いてきて、最近では家庭内の権威低下、
60歳を過ぎても体力があるから攻撃性が増す。
体力はあって、職場にも家庭にも自己肯定の場がない高齢男性が、
感情労働の蔓延する世界をさまよう。
バブル崩壊以前までの年功序列企業では職位が定年まで一律に上昇した。
職場の変化で、今は年齢だけで昇進はできない。

しかし、そんなキレる中高年にケンカ腰で対応する側にも問題がある。
人生の生き字引のような老人が、生活の知恵を伝えようとしても、
「時代遅れだ」とか「今は違う」と言われひと言で片付けられてしまう。

しかし、高齢者全体がキレやすいというわけではない。
加齢によって怒りっぽい人はますます怒りやすく、穏やかな人はますます穏やかになっていく。
自分の正義に固執してしまうのは、中高年にかぎらず若年層にも言えることだ。
若い人は「キレる」はカッコ悪い、クールで冷めた感じがカッコいいとされている。
キレるスタイルが違うだけで、どの世代もキレている。
怒り方の種類が違うだけで、 世代問わず 怒る人は怒ってる。
「自分はまともだ」といった感情に固執して、他人の意見を認めようとしないといった、
「謝ったら死ぬ病」の重症患者も若男女問わず存在する。

俺の周りにも老「わかりやすい人」は居る。
酒が絡むとその傾向は顕著だ。
こちらは普通に接していても、ジワジワと本性を現し始める人、突然爆発してしまう人など様々だ。
その人と交わる前に予備知識として、「あの人には気を付けろよ」と助言を頂くと安心できたりする。
飲むとテンションが上がる人、酒乱傾向のある人、それと静かなる酔っ払い、
年齢を重ねていくと、アルコールへの耐性も弱まりわかりやすくはなるが、
若いころからそういう人は”そういう人”である。

余談だが、昔は熱血系スポ根やツッパリみたいなものがカッコいいとされていた。
学生時代、街でわざと肩をぶつけて来てケンカを売られた。
駅で目が合うだけでケンカを売られたりした。
酔っ払い同士では、「あ~寒い」と言っただけで、
「なに~寒いだと~?!」と、ケンカに発展したりもした(笑)
そんな酔い方も現在では笑い話として片づけられなくなっている。
少しでも問題を起こすとコンプライアンス問題にまで発展してしまう。
今の俺は、もう飲まないからそんな心配はしなくて良いんだけどね。


つづく。


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