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精神病院への偏見

知合いから1ヵ月ぶりにメールがあった。
長年飼っている犬の手術が終わったそうだ。
内臓にできた腫瘍の除去手術で、13歳の老犬のため手術に耐えられるか心配だったが、
帰宅して少し歩行もできるようになるまで回復したと言っていた。
毎日毎食手がかかり、乳児を育てているような気分だそうだ。
その人とは4年以上毎週メールのやり取りをする仲なので、
病気の犬、それも俺と同じ病気の術後の経過をとても心配していた。
とりあえずホッとしたが油断は禁物、
歳が歳だけに予後には十分注意しなければならない。

犬の手術が終わったころからその人からのメールが途絶えていたので、
何度かお伺いのメールを送信しようとしたが止めた。
相手のことを思うと、今はそんなことに付き合っていられないはずだ。
もし俺が逆の立場だったら、たぶん既読スルーしていたことだろうと思う。

俺が手のケガで入院した時、8時間に渡る大手術直後に本家のおじさんが来た。
「あらっ七ちゃん、手がくっ付てるじゃねーか、良かったな」
俺が手首から先を切断したと勝手に思い込んでいたようだ。
今は亡きそのおじさんは、歩く拡声器として近所では有名だった。
「俺がいちばん最初に見舞いに駆けつけてやったぞ」
「傷の具合を事細かに近所に説明してやろう」
「俺はヒーローだ」であろう。
麻酔が切れ始めて七転八倒している時に、とても迷惑な偵察隊の登場だった。

クモ膜下出血の手術後、ICUから出て大部屋に移った時もそうだ。
病気が病気なだけに、各方面からの偵察隊が多数来た。
心配して見舞いに来てくれるのは嬉しいが、
できれば退院間際の暇な時に来てもらえないだろうか?
都合の良い話だね(笑)

さすがにアルコール依存症で精神病院に入院した時には、
家族以外は誰一人として見舞いに来てもらえなかった。
精神疾患に対して寛容になりつつある世の中にはなっては来たが、
言葉では理解していても、まだまだ偏見の目で見ている人も少なくない。
この偏見が、アルコール依存症者のアルコール外来受診への、
高いハードルとなっていることは間違いない。

酒が止まらなくなって身体に前兆を感じ、「そろそろヤバいな」と思っている人は、
今後のことを一番に考えるならば、まずアルコール外来の受診をお勧めする。
俺みたいになる前に。


つづく。


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