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臭いものには蓋

岸田文雄首相は1日の衆院予算委で、同性婚の法制化に関し、
「極めて慎重に検討すべき課題だ」と述べ、否定的な考えを改めて示した。
それに、「家族観や価値観、社会が変わってしまう課題だ」とも言った。
首相秘書官に至っては、「見るのも嫌だ。隣に住んでいるのもちょっと嫌だ」と、
差別的な超問題発言。
これが岸田首政権中枢にとっての「普通の感覚」なのだ。

婚姻に関する固定観念を自分中心に考えており、少数者の要求など完全無視だ。
少子高齢化問題も一緒で、自分中心と言うか、自分ら世代中心で物事を考えている。
当事者への想像力も人権への配慮もない、非常に問題のある発言だ。
同性婚だと生産性がないから少子化に拍車をかけるとでもいうのか?
人間をオスとメスとして捉え、異性婚ならば子孫繁栄するとでも思っているのか?
そうではない。
子育てに不向きな社会を作ってきた政治に問題があることを隠したいだけのである。

LGBTなどは、彼等の中ではアブノーマルな存在でしかない。
そりゃあ中高年のほうが、自分に年が近いし同じような意見も持っている人が多いだろう。
それに何と言っても、中高年は「票」を持っている。
多数派だけの意見を聞いていれば「票」は伸びるさ。
これでは、「老人の老人による老人のためだけの政治」と言われても仕方がない。


アルコールや薬、ギャンブルや性などの各種依存症者も、異常者として捉えているのだろう。
精神異常者は「キ〇ガイ」として認識し、かつての精神病院建設ラッシュの時と同じように、
自分とは違う異常者は、「収容所」に隔離したいのだろう。

高度成長期、国は精神障害者の隔離収容政策を進めていた。
かつての日本では、精神障害者によって年1,000億円の生産を阻害されている、
精神障害者を「危険な存在」と見なす社会の風潮を作りあげた。
世間には、精神障害者に対する根強い差別偏見がある。
俺が入院していた病院も、近所からは「キ〇ガイ病院」と呼ばれていた。
家族としては、本人を精神科の専門病院に入院させてひと安心、
異常者として隔離され、本人抜きの生活形態というものができあがってしまう。

欧米諸国では人権尊重の観点から入院治療から在宅の地域医療へと切り替わってきたが、
日本では資金面での優遇措置が取られ、精神科病床数が大幅に増加した。
精神病院が「収容所」として利用される原因は、
医師や看護師数の基準を緩和、患者一人にかける手間を減らし、
病床数を増やすほど精神科病院が儲かるといったシステムと、
患者の家族が退院を容易に拒めることにある。

ウチのばあちゃん(90歳)も、俺の精神病院入院を汚点と見ている。
「臭いものには蓋」の思考は、頭の固いおじいちゃんおばあちゃんたちには、
まだまだ根強く残っている。
俺も精神病院退院後、何度も腫れ物に触るような扱いを受けた。

同性婚も精神疾患も、自分を正常だと思って狭い心を持っている彼らにとっては、
「普通」ではないのである。


つづく。


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