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精神科患者虐待

精神科病院でまた患者虐待の事件があった。
保育園では保育士が、精神科では看護士が、
虐待は常態化しているのか?

以前にも書いたが、その原因は多様化している。
精神病院大国と呼ばれる日本、世界の病床のおよそ2割が我が国に集中している。
人生の大半を病院で過ごした人、入院治療の必要がなかった人が多く居る。
日本では旧態依然とした「隔離収容主義」がまだ残っている。
高度成長期、国は精神障害者の隔離収容政策を進めていた。
精神障害者を「危険な存在」と見なす社会の風潮を作りあげた。
世間には、精神障害者に対する根強い差別偏見がある。
俺が入院していた病院も、近所からは「キチガイ病院」と呼ばれていた。

はなしは違うが、同和問題や同性婚についてもそう。
同性婚の法制化について前首相秘書官に至っては、
「見るのも嫌だ。隣に住んでいるのもちょっと嫌だ」と言った。
それだけ古い人間は「隔離」とか「偏見」という言葉が好きである。

収容所としての精神病院は、もうかる商売と化していった過去があるのとともに、
日本には「精神科特例」というものがある。
「入院患者に対して医師数は一般病床の3分の1、看護師・准看護師は3分の2でいい」
このように設置基準を緩める代わりに、診療報酬は一般病床より低く設定されている。
民間の医療法人であれば、当然ながら利益を追求しなければならず、
薄利多売しなければ利益を上げることができないので、
一旦入院させた患者はなかなか退院させられない。
日本でも精神障害者の退院が多くなり、
空いた精神科病床を認知症高齢者で埋めようとする動きが顕著だ。

生活保護費、医療扶助、医療扶助の問題、
家族から厄介者として見放される社会的入院や医療保護入院の問題などがあり、
精神科病院の数はなかなか減らない。

そんな中、半世紀余り続いた精神科病院を廃止した病院がある。
社会の偏見や病院団体の反発などが複雑に絡み合い、廃院には大変な苦労があったようだ。
俺も5ヵ月間精神病院の内部を見て来たが、
ケースバイケースでどうしても長期入院が必要な患者もいる。
急に欧米のような数まで減らせと言われてもなかなか難しい話だが、
徐々に「隔離」から「共生」へと持っていくことはできるはずだ。


つづく。


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