「酒類提供禁止」

酒を飲まない若者が増え、
忘新年会や歓送迎会は不要！と叫ばれ始めていた最中に、
このコロナ禍が嫌酒家の勢いを増大させた。
日本政府はコロナ感染予防の手段は、
人の流れを減らすことと、お酒を飲まないことと考えている。
お国の政策と嫌酒家の意見は、
「酒類提供禁止」となって、
中小飲食店や居酒屋だけが攻撃されるようになった。

そもそも人はなぜ飲酒をするのであろうか？
美味しい酒とは何か？
今日1日の疲れを労い晩酌をする。
気心のしれた友人と楽しく語り合いながら酒を飲む。
辛い気持ち、悲しい気持ちを和らげてくれる。
飲酒には様々な理由がある。
それとも酒なんてアル中の原因だと考えるか？

アル中予備軍の人たちは、店飲みが出来ない！と騒ぎ、
コンビニで酒を買い、路上飲みで哀しい抵抗をする。

しかしアル中の飲酒とは、
美味くもなく、楽しくもなく、
ただ酒を口から入れて酔うだけの単純作業である。
アル中たちは異常飲酒を隠すプロである。
外飲みでアル中がバレたり、店で高い酒を飲むことを嫌う。
それならば、人知れずドラッグストアで安く酔える酒を箱買いする。

「酒類提供禁止」の政策は、家飲みを推奨し、
アルコール依存症者を増やす要因ともなり得る。
外飲みならば、帰宅しなくてはならないのでブレーキが効く。
その点家飲みは、酔いつぶれても目を瞑れば朝を迎えることが出来る。
去年の今ごろ話題に上がったリモート飲み会も、
在宅での度を超えた飲酒量が指摘され、あまり騒がれなくなった。

アルコール依存症を疑い、病院や自助グループに通おうとしても、
コロナが怖くて行くことが出来ない。
「このままじゃいけない」と思っていても、
酒を口に運ぶ作業は酔いつぶれて眠るまで止まらない。

飲酒が合法化しているわが国では、飲酒禁止はできない。
そして、コロナが終息し外出できるようにならなければ、
アルコール依存症者が減ることは無いと考える。

アル中を独りにしてはいけない！


つづく。



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