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空白時間の使い方

以前にも書いたが、俺は空白の時間を過ごすのがヘタクソだ。
予定より早く仕事が終わると、すぐに次の日の仕事を始めてしまう。
スケジュール表が真っ黒に埋まっていないと不安になってしまう。
以前なら、ぽっかりと空いた時間を埋めてくれるのが酒だった。
酒を飲めば、辛いことも不安な気持ちも、
自分をごまかし自分を騙して泥酔して、いつの間にか眠ることができた。
だが今はそういうわけにはいかない。
空いた時間を作らないように、曜日に関係なく毎日自分にルーティーンを課している。
早寝早起きを実行し、帰宅後に晩酌できないようにした。
早起きして、朝4時から朝食までの時間で、
朝シャワー、4匹のネコの世話、清掃、ゴミ出し、日記(ブログ)、畑作業と、
毎日同じことを繰り返しているうちに、酒のことが頭に浮かばなくなった。

とにかく俺は、空白の時間ができることが怖いのである。
この恐怖心は、酒でその時間を埋めていたあの頃と変わっていない。
「心に余裕を持て」と言われるかもしれないが、
無理やり暇な時間を作る努力をするなら、動いていたほうがノンストレスなのだ。

精神病院入院直前のアルコール依存症末期症状が出でいたころ、
数か月間、部屋も職場も掃除をせず、風呂も入らず、
最終的には固形物を口に入れなくなった。
精神病院に入院している間に、
妻と子供が、俺の寝床と化した事務所を片付けてくれたと聞いたが、
部屋のホコリと空いた焼酎のペットボトルの山に愕然としたそうだ。
自分で言うのも何だが、俺は元々きれい好きである。
毎日の掃き掃除と月に1度の床のワックスがけを欠かしたことが無かった。
そんな俺の変貌ぶりに、「これはマズい」と、本気で思ったそうだ。

飲酒量はすでに予定数量に達し、一生分飲んだと自負している。
酒には懲りた。
肝硬変になり、さらには肝臓がんにまでなった。
再飲酒してしまうのが怖いのではない、
酒を飲んで、これ以上寿命を縮めるのが怖いのである。
気持ちの良い酔い方も忘れかけている。
うっかり間違ってアルコール入りのものを飲んでしまい、
「今ならどんな酔い方をするのだろう?」と考えるのも怖い。

20代30代は楽しくワイワイ酒が飲めていた。
一転、40代の酒は辛さと不安を紛らわすために飲んでいた酒なので、
決して美味しい酒ではなかった。
その頃のことを思い出すと、不安だった気持ちがフラッシュバックし、
後悔の念に駆られて眠れなくなってしまう。
だから、良く見聞きする動画や音楽は1980年代の多感な時期のものと、
映画やテレビ番組は、2000年くらいまでの規制の緩かった頃のものが多い。
だからと言って、楽しかった頃を思い出して再飲酒しようとは思わない。

今更だが、少しでも長く生きたいからね。

つづく。


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