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精神医療の実態

さあ、新しい1週間の始まりだ。
久しぶりの晴天の朝だ、空気も乾いている。
暑くなるだろうからこまめに休憩を取るようにしよう。

俺はアルコール依存症で、5か月間精神病院に入院し、
現在もたまに外来で受診に行く。
アルコール専門の病室の人は、通常3か月と比較的に入院期間が短いのだが、
俺の場合は症状が重く、退院が2ヵ月も先延ばしになった。
アルコール以外の病室には、長期入院の人も少なくなかった。
「俺は30年だからこの病院では一番長いんだ!」と自慢している人も居た。

「長すぎた入院」 精神医療・知られざる実態 というドキュメント番組を見た。
精神病院大国と呼ばれる日本、世界の病床のおよそ2割が我が国に集中している。
国連やWHOなどからは「深刻な人権侵害」と勧告を受けてきたにもかかわらず、
人生の大半を病院で過ごした人、入院治療の必要がなかった人が多く居る。
なぜこのような事態が生じてきたのか?といった内容だった。

高度成長期、国は精神障害者の隔離収容政策を進めていた。
かつての日本では、精神障害者によって年1,000億円の生産を阻害されている、
精神障害者を「危険な存在」と見なす社会の風潮を作りあげた。

入院治療がすでに必要ない状態なのに、
帰る所がないといった理由で長期入院を強いられている状態を「社会的入院」と言う。
長期入院者のなかには、「社会的入院」の人が相当多いと言われており、
そのために日本の精神科の平均在院日数は諸外国に比べて突出して長くなっている。

世間には、精神障害者に対する根強い差別偏見がある。
俺が入院していた病院も、近所からは「キチガイ病院」と呼ばれていたそうだ。
家族としては、本人を精神科の専門病院に入院させてひと安心、
その期間が長くなってくる間に、本人抜きの生活形態というものができあがってしまう。

欧米諸国では人権尊重の観点から入院治療から在宅の地域医療へと切り替わってきたが、
日本では資金面での優遇措置が取られ、精神科病床数が大幅に増加した。
精神病院が「収容所」として利用される原因は、
医師や看護師数の基準を緩和、患者一人にかける手間を減らし、
病床数を増やすほど精神科病院が儲かるといったシステムと、
患者の家族が退院を容易に拒めることにある。

俺が入院していた時、同室の人が「家族に騙された」と言っていた。
要は、外来受診と聞かされてイヤイヤながら引きずられるように来院したら、
いつの間にかそのまま入院、
そしてその人は、奥さんに離婚され、家族は引っ越ししたとのことだった。
「ん~、これは病院も一枚噛んでいるな」と、
閉鎖病棟にいた、正常ではない俺の脳ミソでもわかった。

生活保護費のほぼ半分を占めている医療扶助、医療扶助は入院が多い。
その中でも精神科の入院が多い、しかも長期入院が多い。
どうして生活保護では精神障害による入院が多いのか?
入院がとても長い傾向にある精神科では、
入院患者だけが保護を受ける「世帯分離」がたいてい行われる。
その人は、家族から「厄介者」として見放されたのだ。

俺の母親(ばあちゃん)は、俺の精神病院入院を汚点と見ている。
一方、統合失調症で妹を亡くした妻は、アルコール依存症を心の病と見てくれている。
子供たちも俺のことを特別視しないでいてくれている。
それだけでありがたいと思っている。


つづく。


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