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ウソと秘密とタブー

昨日の日記は「秘密」や「タブー」について書いた。
これをアルコール依存症に当てはめて考えてみる。

アルコール依存症者はウソつきだと言われる。
「嘘をついてでも酒を飲みたい」、「飲まなければならない」、
といった症状や思い込みからウソを付いてしまう。

アルコール依存症者の行動例
・うそをつく  → 飲んでいるのに「飲んでいない」と言う
・言い訳をする → 自発的なのに「飲まざるを得なかった」と言う
・約束を破る  → 「今日は真っ直ぐ帰る」と言ったのに飲んで帰る
・攻撃的になる → 飲むと暴言・暴力が出現する

アルコール依存症者の心理(本音)
・こんな飲み方はいけない
・健康になりたい
・酒にふりまわされたくない
・かっこ悪い自分を否認
・過剰適応・必要以上にがんばる
・白か黒か、中間がない
・弱みを見せられない
・素直に助けを求められない

こういった心理的葛藤の末にウソを付く。
プライドの高さから、「絶対にウソがばれてはいけない」となり、
綿密な計算をし、秘密を隠して高度なウソを付く。
ではなぜ否認をするのか?
それは問題飲酒を正直に認めると飲むのをやめなければならなくなるから。
「酒なしには生きられない自分」を必死に守ろうとしているのだ。

依存症者のウソを見抜いた家族が起こしがちな行動(タブー)
・飲酒の量や機会をコントロールしようとする(監視)
・飲酒の原因をコントロールしようとする(説教)
・飲酒の結果をコントロールしようとする(尻拭い)
この結果、依存症者は飲酒によって困った事態が起きても、家族が心配して世話してくれ、
尻拭いしてくれるので、自分で責任を負わずに飲み続けることができると、
自分にとって都合の良い方向に理解してしまう。

アルコール依存症は、決して完治はしないが回復はできる病気だ。
自分で断酒や減酒が出来なければ、羞恥心を捨てて医療機関にかかるべきだ。
治療の方法として、多くの場合は俺みたいに入院治療が選択される。
医療機関では治療や投薬のほかにも、様々なことを学び自分の無知と愚かさを知る。
真剣に考えているのならば、それがアルコール依存症回復へのいちばんの近道だと思う。


つづく。


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