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高いコーラと安いチューハイ

妻「じゃあ行ってくるから~♪」
俺「どこに?」
妻「家族会~」
俺「あ、そう いってらっしゃい」
断酒会は役員の妻にとってライフワークの一部となっている。
その点俺は、月イチ程度の出席で平会員を貫いている。
22時ごろ例会から妻が帰って来た。
10年以上断酒していた俺も知っている人が、また飲み始めてしまったそうだ。
散歩の途中のコンビニチューハイにハマってしまったらしい。
再飲酒へのきっかけなどはどこにでも転がっていると感じた。

コカ・コーラ5月1日の出荷分から45品目値上げ。
俺もたまの飲み会で飲んでいるコカ・コーラの190mlは税別100円が140円になる。
まあ店では不味いノンアルビールよりも安いだろうから良いか。
主力商品である500mlペットボトルは値上げからほぼ除外されているので、
消費者が値上げを体感するのは軽微だろう。

俺は「自分へのご褒美」と、たまにコンビニでコカ・コーラゼロを買っていたが、
値段を見たら税込172円・・・
迷った挙句、いつもの炭酸水85円(税込92円)に手が伸びた。
精神病院退院後から常備飲料となっている炭酸水、
普段はマイ水筒のコーヒーか、業スーの税込40円前後の炭酸水を飲んでいる。
コンビニ炭酸水でも高いと思ってしまう俺は、
そのとき172円のコカ・コーラゼロには手が伸びなかった。

コーラの隣のショーケースには99円のストロング系缶チューハイが並んでいた。
かつての俺なら迷わず99円チューハイの一択だろう。
消費者の健康のことを思うなら、あの並びは良くない。
誰もが気軽に出入りするコンビニ、そこでコーラよりも缶コーヒよりも安く、
早く酔いたい人にとって即効性のあるストロング系、
酒好きの人にとっては「アルコール依存症推進フェア」みたいなものだ。
今になってようやくストロング系への注意喚起がされてきてはいるが、
安くてすぐ酔えるストロング系は禁止薬物とされない限り消えることは無いだろう。

アルコール依存症者増加の歯止めとなっているものもある。
昭和の時代、喫煙者や飲酒者のほうがそうでない人よりも多かったが、
今はそれが逆転し、喫煙者や飲酒者が「健康」「迷惑」を盾に虐げられている。
多勢に無勢である。
タラレバにはなるが、この状態になるのがあと10年早かったら、
他人の目に過剰に反応する俺は、アルコール依存症にならなかったかもしれない。


つづく。


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