東京ドライブ

日曜日は妻も連れて、長女を送ってきた。
というのも、妻が母親の三回忌で帰省していたので、
北海道みやげがたくさんあったので電車には乗せられないのと、
午後から娘が東京で行われるコンサートに行くということだったので、
アパートに送って荷物を置いた後に、
ついでにコンサート会場まで送るということになり、
帰り道が1人ではつまらないので、
妻にも付き合ってもらったというわけだ。
車窓から紅葉でも見ながらゆっくり帰って来ようと思っていた。

東京と言っても、娘の住むアパートとは目と鼻の先で、
私もしょっちゅう配達で通る場所だったので、
「いいよ♪　じゃあおかあちゃんも連れて行くか」
ということになったのだ。
娘の行くコンサートの開場時間もあったので、
道中、「チョット寄りたいな」というところもあったがスルーした。

娘を会場まで送ってからの帰り道、
俺「せっかくだから、何処かに寄って帰る？」
妻「そうだね」
と、彼女はスマホで観光スポットを探し始めた。
真剣に立ち寄る場所を検索しているのだろうと思って、
信号待ちの時に助手席に目をやると、
妻は既に爆睡中。
前日は女同士で夜遅くまで喋っていたみたいなので、
まあ、そのうち起きるだろうと寝かせてあげることにした。
彼女の助手席での居眠りは、今に始まったことではない。
結婚前から、俺の愛車のトラックの助手席でも、
揺れと振動の中、ヘッドバンキングしながら寝ていた（笑）

1人で運転していると、普段走っているのと同じ道なので、
いつものように配達の帰り道モードに入ってしまった。
気付くと家の近くまで帰って来てしまった。

慌てて妻に、「お～い、起きろ～」と言うと、
妻「あれっ、ここどこ？もう家？　さっきまで東京に居たのに」
俺「ゴメン、どこにも寄らずに帰って来ちゃった」
　「昼飯でも食べに行く？」
妻「いいよ、めんどくさいしお金がもったいないから」

家に着くと、サビとクロが「私たちのゴハン忘れてない？」
と言う目で見ていた。

つづく。



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