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断酒成功率

「酒のない人生なんて考えられない」
人生の大半を酒とともに過ごしてきたのだから、そう思うのはもっともなこと。
アルコール依存症を発症し、不本意ながら断酒を始めた人も多いだろう。
では、断酒とはどのくらいの成功率なのだろうか?

ダイエットを始めたいと思う人が、失敗するケースとして、
「痩せなくちゃ!明日からやる」と言うが、寝て起きたらそのダイエット宣言すら忘れている。
妻のその言葉を何度聞いたことか(笑)

久しぶりに入院中のテキストとして使っていたSMARPP-24を引っ張り出してみると、
アルコール依存症の入院治療を受けていた人の断酒率のデータは、
退院直後から急激に断酒率が下がり、退院後2ヵ月半以内に再飲酒してしまう人は約半分、
1年間断酒を継続できた人は30%程度とされている。
2年経ったところでこれは下げ止まり25%、3年経つと21%でほぼ横ばいになる。
つまり、2年間やめていると、ある程度、病状も安定するということがわかる。

せっかく入院して治療を受けたのに、1年後に酒をやめられている人は10人中3人。
それだけ難しい病気なのである。
飲んでしまった7人が再飲酒をしたとき、本人は家族はどのように対応したらよいのか?

再飲酒をすることで、健康や信用など、失うものがあるから、
再飲酒については、もちろんしない方が良いに決まっている。
しかし、過度に再飲酒を恐れたり、再飲酒したらすべて終わりだと考えないことも大事で、
再飲酒を症状の一つとしてとらえ、正しく対応することが求められる。
しかしこれを、「再飲酒はつきものだ」と、最初から諦めることだと思ってはならない。。
再飲酒なく、一度でやめられている人もたくさんいる。
再飲酒を回復のステップにできるように、この経験を生かしていくことが大切だ。

再飲酒の前には、再発がある。
再発で気づくことができれば、再飲酒を防ぐことができる。
また、飲んでしまったとしても、次の日からまた断酒が始められれば良いのだ。
このとき、自分の再飲酒に至る行動を振り返って、再発のサインに気づくことが重要で、
再発の引き金となったものが何であったのか、
自分のパターンを知ることが再飲酒防止の第一歩となる。

かと言って、酒をやめたらすべて解決とか、
酒をやめているんだから誰かにとやかく言われる筋合いはないとか、
そんなことを思い始めてしまうのが第三の否認だ。
注意しなければならないのは、過剰適応と言えるような態度で、必要以上にがんばりすぎる。
「自分のことは自分でなんとかするから放っておいてくれ」という突っ張った態度。
力不足を認めることができないところから生じる高望み。
正しいか、間違っているかで、中庸がない白黒思考など。

断酒できたからと言って決して偉いわけではないので自慢するなんてもってのほか。
普通に戻っただけだ。
そんなことより、酒を止めてからの生活改善や関係修復とともに、
過去の過ちを認め、反省と償いの心を忘れてはいけない。


つづく。


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