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否認と隠ぺい

アルコール依存症は否認の病気と言われている。
否認とは、自分が依存症になっていると認めないことを指し、
飲酒の問題を全く認めないだけではなく、問題を実際よりも軽く考えて自身を慰め、
自分が飲酒をコントロールできないことをほかの原因としたり、最初からあきらめてしまう。

否認は、自分が深刻な状況にあるということから身を守るための、
心理的な防衛機制の一種と考えられ、
依存症の人は誰でも多かれ少なかれ否認があるものだ。
しかし否認は飲酒問題の解決を妨げるものであり、
否認を克服していくことが依存症回復のプロセスそのものとも言える。

アルコール依存症者の否認と似ていることは、探せばどこにでもある。
心理的な防衛機制の代表的な言葉は「隠ぺい」である。
隠ぺいとは、事の真相などを故意に覆い隠すことであり、
相手に気を使って気づかないふりをしたり、怖くて言えなかったり、
本音を言わない、意見しない、提案しないなど、様々なケースがある。
その中身(本心)は、
自分の不利になるようなことを隠す。
誤解されないようにする。
情報漏洩や悪い噂を立てられないようにする。
大病だと知られては困る。など

隠ぺい体質の人に多いのが、
短気ですぐに怒る、忙しくなるとテンパってしまう、一般常識に欠ける部分がある、
自分のミスを認めない、プライドが高い、怒られたくない、
終わるまで全力で突っ走ってしまうなど。
これらの点はアルコール依存症者と酷似する。

大病の中でも「癌」は最も隠蔽したい病気のひとつだ。
俺の肝臓がんも、心を許せる人にしか言っていない。
アルコール依存症は、酒好きの俺が半年弱入院して姿を見せなかった。
これはたぶん周知の事実となっているので親族以外には言っていない。

依存症の否認は、自分も周囲も傷つけるものとなってしまうので、
改善するよう努力しなければならないが、
大病の隠ぺいは、相手に心配させない気遣いであり、
時と場合によっては、相手を傷つけることはないので、
全てを暴露するものでもない。
そのへんが「否認」と「隠ぺい」のちがいだと思う。


つづく。


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