SSブログ

昨日の続き

昨日のつづき ↓

17時30分、俺は予定外の行動を取っていた。
妻を助手席に乗せて最寄りの駅まで運転手をすることになっていた。

妻も初対面の人に会うのが不安らしく、
「おとーちゃん、一緒に行ってくれない?」と。
酒害者本人が居たほうが話しやすいからだそうだ。
日曜の午後、ネコを腹の上にのせてのんびりしていた俺は断る理由もなく、
「いいよ」と、妻に同行することとなった。

駅に着くとその人が待っていた。
簡単な挨拶を終え近くのファミレスへ。
その奥さんはとても悩み、どこに頼ったらいいか分からず藁をも縋る気持ちで、
以前断酒会の研修で知り合いになったうちの妻の名刺を見つけ電話をくれたそうだ。

話を聞くと、旦那さんがダルクから帰って来たのではなく、脱走したと言うのだ。
無事に保護され、また施設に帰ったそうだが、
「これはただ事ではないな」と、真剣にその人の話に耳を傾けた。
旦那さんの入っているダルクは薬物以外にもアルコールの人も居るそうだ。
1年間、面会も許されず我慢できずに脱走を図ったそうだ。
社会復帰にはまだ数年かかると言っていた。
話を聞いて、宗教かマルチ商法の勧誘と疑った俺を恥じた。

旦那さんは、普段は生真面目で仕事に没頭するタイプ。
俺と同じく依存症になりやすいタイプの人だ。
俺と少し違うのが、酒乱の気があるようで飲むと荒れるらしい。
俺たち夫婦はカウンセラーでも何でもないので、只々その人の話を聞くことに徹した。
2時間ほど食事をしながら喋って、またその人は電車に乗って帰って行った。

帰りの車中妻と「何か役に立てたかな?」とその2時間を振り返った。
結果、他人にはどうすることもできない、
話をすることによって少しでもその人の不安が解消されたならばそれで良いじゃないか。
自助グループの例会やミーティングと同じだ、
話の内容がデリケートなだけに、同じ悩みを抱えた人にしか喋れないもんな、
という結論に達した。

23時ごろ、最寄りの駅に着いたとの電話があったそうだ。(俺は夢の中)
片道3時間もかけて会いに来てくれたんだな、
妻には、酒害者の配偶者どうし、これからも仲良くやって欲しい。

つづく。


にほんブログ村 メンタルヘルスブログ アルコール依存症へ
にほんブログ村


アルコール依存症ランキング





nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:健康