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引き出し屋

「引き出し屋」についてのニュースを目にした。
長年ひきこもり続ける当事者を、
無理矢理に近い状態で自立支援施設に送り込む。
その手法は、騙まし討ち、拉致・監禁、
元生徒7人が初の集団提訴へ
という内容だった。
昔あった〇〇ヨットスクールの事件を思い出す。

俺もアルコール依存症で精神病院に5カ月間入院していた。
同部屋の人の中には、引きこもりの人も居た。
入院の原因がアルコールの場合、
自発的に入院する人、
俺のように、身体が動かなくなり強制的に入院する人、
そして、酔っぱらうと手が付けられなくなり家族に説得されて入院する人、
それぞれだった。

引きこもりの人は、何が原因で入院したのか分からなかったが、
いつもベッドの上で静かに天井を見上げていた。
「退院はいつごろ?」と聞くと、
「わからない、でも家よりもここにいるほうが落ち着く」と言っていた。
その時点で、彼は3度目の入院らしかった。

俺もそのとき、仕事のことも家族のことも考えずに、ただただ療養していた。
世間とのしがらみから解放されて、まるで赤ちゃん返りしたみたいだった。
彼が言うように、確かにベッドの上が落ち着いた、楽だった。
しかし、入院生活も2カ月を過ぎた頃からは、
頭もスッキリし、幻覚も収まり、
「早く元の生活に戻らなくちゃ」という思考に変わって行った。

「逃げる」という点では、ひきこもりもアルコール依存と似ていると思う。
しかし、引き出し屋によって「家庭に迷惑を及ぼす存在」として認識され、
拉致・監禁されるのは、もう少し違うやり方もあるんじゃない?と感じてしまう。
『支援という名の暴力』に見える。
それに¥も絡んで、支援を語って商売とするのは間違いである。
「家庭内環境の修復」には程遠いものがある。
「人権侵害」ではないのか?
そんなやり方では、施設出所後もフラッシュバックやPTSDに悩む人も多いと思う。

精神疾患は奥が深いものである。
病気になった原因もその背景も治療の仕方も克服の仕方も、人によって違う。
病院も施設も出される薬も、その人に合っているかどうかもわからない。
答えは1つじゃない。

みんな苦しんでいる。
心の病を商売にしてはいけない!


つづく。



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