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老々介護と共依存

先日起きた、老々介護の末の妻を海に突き落としたとされる事件、
容疑者の夫は、40年間脳梗塞で身体が不自由になった奥さんを一人で懸命に介護して来た。
周囲からの勧めもあり、高齢者施設に入所の方向に向けて動き始めた矢先の事件だった。
「妻が施設に入るなら無理心中しようと思った。自宅で最期を看取りたかった」
容疑者の男性は、1人で奥さんの介護を抱え込んでいたようだった。

そのほかにも、老々以後の末の事件は各地で起きている。
「承諾殺人」、つまり加害者が被害者本人の承諾を得て殺害した罪。
誰だって、最愛の配偶者が苦しんでいる姿を見たくない。
日に日に心身ともに弱っていく姿を見たくない。
「一緒に逝こう」と、無理心中を図るケースもある。
事件に至るまでの経緯に何があったのは分からないが、
一心同体の妻を施設に預けることへの抵抗感はあると思う。
どんな思いで毎日の介護をされていたか、理解した上で話をするのが大切だと思う。

俺も肝臓に爆弾を抱えている身である。
いつ癌が再発して、これまで以上に家族や周囲に迷惑をかけることになるかわからない。
他人事ではない事件だと思った。

妻とも「共依存」について話したことがある。
このようなことは、アルコール依存症の「共依存」にも類似するとことがある。
誰かの役に立とうとするのは、もちろんいいことだし自然なこと。
けれどその結果として、自分自身がどんどん苦しくなったり、
一生けんめいやればやるほど状況が悪化する。

酒害者本人である俺が、諸悪の根源であることは間違いないのだが、
妻たちは、夫の飲酒問題を何とか解決しようとして、説教したり、監視したり、
失敗の尻ぬぐいをし、崩れかけた家庭を夫に代わって支えようと必死だ。
そのため妻は、ますます夫のことで頭を悩ませ疲れ果て、
なぜこんなことになってしまったのかわからずに、
怒り・悲しみ・絶望・混乱の中で途方にくれる。
俺の精神病院入院中に妻は「これは共依存だな」と気づいたと言う。

「共依存」という言葉は、こうした妻をはじめ依存症の家族にとって、
「何が起きているのか」「どうすればいいのか」を考えるきっかけとなる。
そのカギとして「相手ではなく自分に焦点をあてる」と言うことが大切だ。
やがて共依存の概念と回復のための知恵は、依存症の家族や周囲との関係に悩む人の健康さを保つ。

そこを出発点にして、「自分を苦しくさせるような生き方」を変えていく必要がある。
長年のパターンを変えるのは簡単ではないが、
新しいスキルを知って、練習しながら少しずつ身につけていくことが大切だ。

もっともらしいことを言っているが、
さんざん家族に迷惑をかけ、
これからも迷惑をかけるであろう俺が言えることではないのは理解している(反省)

つづく。


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