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薬物依存をナメるな

日大アメフト部の無期限活動停止処分解除らしい。
依存症の勉強をしている俺からしてみれば、
あれっ、早くない?違法薬物をナメてない??である。
他大学では大麻を栽培してネットで売りさばいている輩も居ると聞く。
大学側は、「個人犯罪」としてその子に罪を全部押し付けて、早期の幕引きを図っているのだろうが、
今考えるべきは他の部員や学生に蔓延していないか調査し、
違法薬物に関する注意喚起を徹底的にしなければならない時なのに、
やってる事といえば起こった深刻な事態を矮小化しようとするばかりか、
まるであたかも無かった事にしようとしてるのではないか?とすら感じる。
メンツや世間体だけの問題ではない。
依存性物質の本当の怖さを全然分かっていない。
興味本位の酒タバコがバレた高校の部活じゃないんだから、
もう少し依存性物質の怖さを分からせなければならないと思う。

アルコール依存症(≠アル中)にも言えることだが、
かつて「薬物中毒」という用語が薬物依存症と同義の言葉として用いられていた。
「中毒」というのは、「毒」が体の中にある状態を指し、
この状態は「解毒」すれば、薬物による心身に対する弊害は消失し、治療はおしまいとなる。
しかし、薬物依存症はそうはいかない。
薬物をやめていても、かつて薬物をよく使用していた場所を訪れたり、
一緒に薬物仲間と出会ったりするだけで、薬物の欲求が蘇ることがある。
たとえ欲求を自覚しなくとも、かつて薬物を使ったときに体験した様々な心身の変化が出現する。
あるいは、暇な時間に退屈な気分になったときに、
ふと「薬物を使いたいなぁ」と考えてしまったり、「しかし、我慢しなきゃ」などと葛藤したりする。
つまり、薬物依存症とは、「薬物が体内に存在すること」が問題ではなく、
薬物を繰り返し使ったことで、人の心身に何らかの変化が生じた状態を意味している。

覚せい剤や大麻、シンナー、危険ドラッグなどの依存性薬物は、
いずれも脳内報酬系という快感中枢を直接刺激する性質を持っている。
この中枢は、たとえば一生懸命勉強をしてよい成績をとったり、
努力が認められて褒められたりした際に興奮し、良い気分にさせてくれる働きがあり、
そのおかげで苦しいことやつらいことがあっても、その向こう側の「良い気分」を期待して頑張れる。
ところが、依存性薬物は努力のプロセスを一気に飛び越えて直接その中枢を刺激し、
多幸感を体験させたり、苦痛をやわらげたりする。
その結果、勉強を褒められた子どもがせっせと勉強に打ち込むようになるのと同じように、
薬物でそのような体験をした人は再びその体験を求めて薬物使用を繰り返すようになるのだ。
こうなると、薬物を使っていないときにも、
次に薬物を使う機会が待ち遠しいと感じるようになるのは時間の問題だ。

気づくと、自分のなかでの価値観の序列が変化してしまう。
たとえば、これまで自分にとって大切だったもの――家族や恋人、友人、仕事、財産、健康、
そして将来の夢よりも上位に薬物が位置づけられ、
薬物を使い続けるライフスタイルに合った恋人や友人、仕事を選択するようになる。
全くアルコール依存症と同じだ。

ちなみに脳や神経系の働きを抑制するのが「ダウナー」であり、刺激するのが「アッパー」
ダウナー系 ヘロインや大麻である。違法薬物ではないが、アルコールにも抑制作用がある。
アッパー系 覚せい剤コカインや少量のアルコール、タバコ、カフェインも中枢刺激剤である。
幻覚作用が前面に出やすい薬物もあり、LSD、大麻、MDMAなどが含まれる。

法で規制されているか否かだけの差であって、
出場停止になろうが、逮捕されようが、退学になろうが、
その後のほうが問題なのである。
覚醒剤や大麻、アルコールの依存症をナメてはいけない。


つづく。


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