「生まれ変わり」

愛犬を癌で亡くしたメル友さんから久しぶりにメールが来た。
ワンちゃんの死後、ふさぎ込んで自分の殻に閉じこもっているのではないかと心配していたので、
その人からの連絡がありとてもホッとした。

メールによると、彼女が毎日落ち込んでいる姿を旦那さんや娘さんたちも大変心配していたようだ。
見るに見かねた娘さんが気晴らしにと彼女を買い物に連れ出し、
ついでにペットショップにも立ち寄ったのだそうだ。
そこで目に入った同犬種の犬を見て、亡くなったワンちゃんのことを思い出し、
追い打ちをかけるように悲しみがこみ上げて来て涙があふれた。
愛犬と一緒に居た毎日がフラッシュバックしてしまったと言う。
しかし、なぜかそこで急に、「この子をお迎えしなきゃ」ピンッと来たのだそう。
それはきっと、娘さんの作戦だったのかもしれない。
もしかすると下見も完了済みだったのかも？
家族の後押しもあり、一週間ほど迷ってそのワンちゃんを家族の一員として招いたそうだ。
旦那さんも娘さんたちも、落ち込んでいる彼女を見ていられなかったのだろう。
その子は、亡くなったワンちゃんと犬種も性別も誕生日も全く一緒だと言う。
「生まれ変わり」、運命のようなものを感じずにはいられなかった。

逆を言えば、2ヵ月の月日が新しいペットを迎えられるほど彼女の心を安定させたのだと思う。
精神的な痛みは、我慢し過ぎると思わぬところで爆発してしまうことも有る。
精神疾患で言う「共依存」に似ているものだと思う。
ただ、ペットが亡くなってから早い段階で新たなペットを迎えると、
そのペットを十分に愛せなくなり虐待に繋がる可能性もあるというので注意も必要だ。
また以前のようにその人とメールのやり取りが出来るようになれれば良いなと思っている。
フラッシュバックと言えばアルコール依存症者も、忘れたくても頭と身体が覚えている
人によってはビールのCMを見ただけでなぜだか無性に飲みたくなってしまうと言う。

俺のウチでも、先代クロが病死してから約1ヵ月後には、家ネコみぃを連れて帰っていた（笑）
ウチの隣のお宅では、コーギーを飼っているが、
俺「この犬も長生きですね」と言うと、
隣「いや、コイツ2代目だよ、前の犬が亡くなって2週間で買っちゃった」
ペットロスの乗り越え方も人によって様々である。

先日、我が家で1週間ほど世話をした後に知人に譲渡した捨て猫のチビクロが、
半年も経たずに急死してしまったそうだ。
その人とそのご家族の精神的ショックは大きく、いまだに立ち直れていないそう。
その人に会った時に、「また捨て猫がいたら譲渡するね」とは口が裂けても言えなかった。
アルコール依存症者に「我慢できなくなったらノンアル飲んでね」と言えないように。

今のところ我が家では事務所ネコも家ネコも野良3匹も元気だ。
チビは身体も大きくなりもはや“デカ”（笑）
サビとクロは、他所ネコが襲来しても追い払ってくれるチビを用心棒として頼りにしている。

そろそろゴールデンウィークの始まりだ。
ウチの子供たちも顔を見せに来るだろうか？
手伝ってもらいたい仕事もあるし、なるべくなら来てもらいたい。


つづく。



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