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十三回忌

今日は亡くなった親父の十三回忌だ。
昨日は墓地清掃に行ってきた。
お彼岸に大きく掃除をしているので、今回は昼休みにちょこちょこっと1時間で済んだ。
今日はお寺さんに頼んでおいた塔婆を立てて墓参りをするだけなので、来客は姉夫婦だけだ。
以前のように大々的な法事はない。
現在は一周忌の法要も行わないお宅が多いと聞く。
コロナの影響か家族葬も増え、葬儀への参列もめっきり少なくなった。

今から12年前、東日本大震災の1ヵ月後に親父は亡くなった。
震災の影響で斎場に空きが無く、葬儀は2週間待たされた。
あれからもう12年も経ってしまったんだなぁ。

現場監督としてサラリーマンを6年経験し、仕事が楽しくなってきた矢先、
親父に「そろそろ帰って来ないか?」と言われた。
実家は俺のおじいちゃんから続く建築業を営んでいる。
「何年か修行をさせてくれ」と言った手前、いずれは引っ込んで家業を継ぐつもりではいたが、
現場監督としての仕事も覚え、やっと楽しくなってきたところだった。
その前年には結婚もし、周りからも「いつ帰ってくるんだ?」とも言われ始めていた。
会社にも相談をし、悩んだ末に退社して家業を継ぐことになった。

帰って来たからには、早く家の仕事を覚えて戦力になれるよう努力した。
鉄筋コンクリート造や鉄骨造ばかりをやっていたので、木造に慣れるのは一苦労だった。
長女も生まれ、アパートを引き払って実家に帰って来て半年、
親父が脳梗塞で倒れてそのまま入院、
その時の親父の齢は64歳、俺は29歳だった。
そしてその後15年間、親父はベッドの上となってしまった。

親父とは半年しか一緒に仕事をしていないまだ見習いの身で、急に社長になってしまった。
その先は見様見真似で何もかもが手探り状態だった。
とにかく頭の中は仕事のことばかりで、家族のことを蔑ろにしていた。
バブルもはじけ景気は下向きうまくいかないことが多く、ノリノリで仕事が出来なかった。
水面で波乗りしているのを恨めしそうな顔で見上げている深海魚のようだった。
波が来た!と、調子に乗って頑張りすぎたら大ケガをしたり、くも膜下出血にもなった。
親父の入院中に俺が2回入院したことは、親父には言わなかった。
アルコール依存症で精神病院に5か月入院したのは、親父が亡くなって5年後だ。

俺には3人の子供がいるが、
子供たちの中には、病院のベッドの上に寝ているおじいちゃんしいない。
産まれて半年の長女と風呂に入って微笑んでいる親父の写真を見せても、
長女にも記憶がないと言う、そりゃそうだ。


つづく。


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