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癌と断酒会

俺は、アルコール依存症になり、それと同時期に肝硬変、そしてついに肝細胞癌、
断酒を始めて3年半、断酒会に入会して3年が経った。
10月の本部例会では3年表彰されるはずだったと思うが、
ちょうどその時期俺は、大学病院で癌細胞を切除していた。

入会して丸半年、丸1年、丸2年の時も表彰されたが、
それは単なる通過点であり、表彰されるほどのことではないと思っていた。
2年目の表彰を受けた時も、
帰る間際に仲間の方から、「おめでとう」と言われた。
賞状を貰ったことを忘れていた俺は、「何がよ?」と答えた。
すると彼女から、「賞状、賞状、 2年表彰だよね?」と。
俺は貰った賞状を指さし、「あ~これね、まあ順番だからネ」と答えた。
「去年と全く同じこと言ってるネ」と言われたのを思い出す。

ストックされている賞状は、貰ってもどこにも飾られることは無く、
去年の賞状の上に積み上げられることだろう。

断酒会も最初の1年間は、まるで“アル中の義務”であるかのように足繁く通っていた。
2年目からは嫌気さえ覚えるようになり、徐々に例会から足が遠のいて行った。
3年目は、息子の塾の送迎とコロナを理由に、全くと言って良いほど行かなくなった。
そして8月に癌の疑いが浮上してからと言うもの、
酒そのものを敵視し、アルコールについて話ことすら「罪」と感じるようになった。
ガン宣告を受けてから自暴自棄になり、酒を飲みたくなったらどうしよう?なんて、
発癌によるショックが大き過ぎて、1ミリも思うことは無かった。

実際問題として今の俺は、アルコール依存症の上のステージに入ったと思っている。
野球に例えると、自助グループに通って断酒している人が一軍だとすれば、俺は名球会だ。
「断酒を頑張ろう!」なんて、俺にとっては過去の話なのである。
酒(アルコール)は、肝臓に良い食事の中に入っていない物質の1つに過ぎない。

例会出席率の高い人たちは、いわゆる”健康なアル中”である。
今後俺が例会に行ったとしても、肝硬変や肝臓がんの話ばかりをするであろう。
しかし、何人の人が俺の話を理解するだろう? 共感してくれるだろう?
健康なアル中たちからは、表面上
「大変だね~」とか「頑張ってね~」と、薄っぺらいことを言われるだろう。
それだけで済めば良いが、
「酒を止めないとアイツみたいになるぞ」とか
「アイツみたいに癌になりたくないだろ?」とか、
反面教師として扱われるのがオチである。
   
これからも自助グループとは程良い距離を取って付き合っていくよ。
   

つづく。



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