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6th退院記念日

外でツクツクボウシが鳴いている。
赤とんぼとツクツクボウシ、彼岸花とコスモス。
そして、キンモクセイが運動会の香りを運んで来る。
今の季節はナニよ? 夏秋?

6年前の4月に半強制入院して5か月の入院生活、
通常のアルコール依存症の入院なら3ヵ月だが、俺の場合は症状が重く5か月かかった。

常に周りからの目を気にしていた生活から一変、
3度の食事と薬の時間、排尿排便の回数を数えるだけの日々、
仕事もせず、身の回りのこともせず、楽チンではあったが、
「俺はこのまま終わってしまうのか?」と不安になった。

入院中、保護室や閉鎖病棟に居た入院間もない時、
面会に来てくれた妻や姉に対して「面会ですか?お疲れ様です」と言ったり、
前日に見た夢の内容を現実のことのように話している俺を見て、
「この人、このまま戻って来ないかも?」と思ったそうだ。
妻と姉は面会の帰り道で泣いていたそうだ。

ようやくアルコールも抜けて脳も元通りになって来て、
夢と現実の狭間から抜け出すことができ、
院内講習のテキストの内容も理解できるようになり、
院外研修で自分の足で歩いたり、公共交通機関に乗ったり、
AAや断酒会のミーティングや例会にも出席して発言できるようになった。
退院間際には、早く退院したくて仕方なかった。
早く家族に会いたい、早く仕事がしたい、
気ばかりが焦っていた。

待ちに待った退院前日の院内例会には、
子供たちからの手紙を持参した妻と姉も来てくれた。
俺は1年に1度、この手紙を読み返すようにしている。
長女「私たちに力になれることがあったら頼ってね」
次女「もう病院に戻ってほしくないからお酒は我慢して」
長男「俺も勉強と部活に頑張るから、おとうちゃんも頑張ろう」

院内例会の最後に、俺の病院への感謝の言葉を聞きながら、妻も姉も泣いていた。
俺もつられて泣いてしまった。

子供たちからの手紙を見るたびに目頭が熱くなる。

誕生日や他の記念日は忘れても、
9月19日は、絶対に忘れてはならない日となっている。


つづく。


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