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知合いが廃業

知合いの林業家が体の不調を訴え、廃業するそうだ。
近年の夏の暑さは異常だ、それに後継者もいないのだそう。

首相が「花粉症はもはやわが国の社会問題。花粉症対策に結果を出したい」と意欲を示した。
この国の行政は行き詰まるとすぐに精神論を持ち出す。
終戦後から高度経済成長期にかけて、拡大造林を推進した。
人工林は大幅に面積を増やしたから、当然その分だけ発生する花粉の量も増えたことは間違いない。

林業界には数多くの補助制度があるがそれは主伐に対するものではない。
伐った木をすべて集材して利用することに出す補助金が必要。
山主へ還元額が増える策を考えるべきである。
利益が出るとわかれば、山主の林業経営を続ける意欲が高まるし後継者も現れるかもしれない。
将来も林業を続けるつもりなら、林地を荒らすような伐採は行わないし、
再造林や育林にも熱心になるはずだ。

花粉対策では、スギ林所有者には伐採すれば協力金が交付されるので、
それで木材価格低下への補償をしたつもりなのだろうが、
細々ながらも経済行為として何とか継続されていた木材生産としての林業は、
大々的な花粉症対策を行ったならば、壊滅することになるだろう。

林野庁は政策目標として、国産材の供給・利用量の増加としている。
供給・利用量とは主に丸太と燃料材の生産量らしく花粉対策との関係は遠い。
原料を安く仕入れたい大手の木材加工業や、バイオマス発電所などは大喜びだろうが、
一番の被害者はこれまで良質材生産を担ってきた林業家や山主であろう。
林業者を根こそぎ廃業に追い込むのではないか。

林業は労働強度がきつい。
労働災害の発生率ダントツの1位で尚且つ熟練を要する。
最大の欠点は、熟練度を必要とし危険な仕事にもかかわらず賃金が低いことである。
木材市況によって決まる丸太の価格から逆算して、
諸経費や賃金が決まる労働者の能力が反映されにくい仕組みだ。
以上のような実態では、新規参入者はほとんど見込めない。

民間には再造林する意欲はないし、スギに対する期待も少ない
はげ山のままでは水害や山地崩壊などの原因にもなりかねないと、
お得意の「はげ山論」を展開するが、
造林されずに放置された林地のほとんどでは天然更新が進み、
はげ山になることはないが時間はかかる。
花粉症対策はスギとヒノキが減れば補助目的は達成されるのだから、皆伐天然更新でも良いはずだ。
わざわざ「植え替え」をセットにしてまでスギにこだわる必要はない。
整地、苗植え、下刈り、つる切り、除伐、苗木の値段、侵入防止柵。
これほど経費をかけて、数十年後の木材価格は知れたものではない。
そもそも人工林を対象とする育成林業は成り立たない。

なんか纏まらない。
ネコたちの朝ごはんの時間になってしまった。


つづく。


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