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ショック療法

俺はある意味、「酒」に対してチャレンジャーだった。
こんな時飲んだらどうなるだろう?
これ以上飲んだらどうなってしまうのだろう?
飲んだことのない酒はどんな味がするのだろう?
そしてそれはどんな酔い方をするのだろう?

俺が若かったころ、他人との会話の中で、
「昼休みのビールは効くよ、午後は仕事にならなくなっちゃうよ」
「焼酎のスポーツドリンク割りは即効性があるよ」
「ウイスキーを梅酒で割って飲むと腰が立たなくなっちゃうよ」
「ウチの親父は普段飲まないけど、日曜日は朝から飲みっぱなしだよ」
「あいさつで壇上に立つ前に一杯ひっかけると、滑らかに言葉が出てくるよ」
全部試してみたかった、そしてそれを全部実行した。
酒での失敗を武勇伝のように語っていた。
なんか”大人”って気がして、カッコいいとさえ思っていた。
バカだよな。。。

酒は自分を盛り上げてくれる薬だと思っていた。
酒はイヤなことを忘れさせてくれる薬だと思っていた。
酒は明日に向けての潤滑油だと思っていた。
酒は緊張をほぐす薬だと思っていた。
寝酒も睡眠薬だと思っていた。
ただそれは、自分を騙し現実逃避しているだけだと気づいた。
気づくのがちょっと遅かった(反省)

アルコール依存症はコントロール障害から発症する場合が多い。
飲む量のコントロール
飲む時間のコントロール
飲む状況のコントロール
上記のコントロールを何時も適切に判断できれば、酒関連の問題は発生しない。
まあそんな自制心は酒以外のことにも言えることなのだが。

俺みたいな性格の人は、もしコンビニで覚せい剤や大麻を100円で売っていたら、
後先考えずにチャレンジしてしまうだろう。

好奇心もそこで終われば良いのだが、依存性物質は簡単に止めさせてくれない。
外出前家族に「飲み過ぎないでね」と言われても、「わかった♪」といつも空返事だった。
普段から酒を飲んでいない人にそんなことを言われても、何とも思わなかった。
しかし、むかし吞兵衛だった人が言う「飲み過ぎるなよ、後で痛い目に合うよ」は本当だった。
アルコール専門の医師に医学的なはなしをされても、「先生はアル中になったこと無いだろ?」
なんて反発的な感情も生まれた。
断酒会の例会で、酒でどん底まで落ちた人の話を聞くと正直ビビる、「経験者は語る」だ。
アルコール外来だけではどうしても酒を止められない人は、
自助グループの見学に行き、精神的ダメージを受けるのもショック療法の一つだと思う。


つづく。


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