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孤独なアル中

結婚も子作りも「主流」ではなくなった。
将来、子どもがほしくないと言う世代(18〜25歳)は約半数。
少子化が問題視されるなかで学生たちが子を持つことに対して抱いている率直な思い。
自分の意向優先なので、国に対して申し訳ないとは思わない。
日本人だけど、日本のために生きてるんじゃなくて自分のために生きている。
少子化も関係ない、国の意向よりパートナーの意向を尊重。
政府が、「俺は関係ないけど、お前らちゃんとやれよ」と言ってるようにしか聞こえない。
子どもを持つと、高齢者の面倒と子どもの面倒、二重の経済的負担がかかる。
昔と違って、結婚しない生き方が上の世代にも徐々に認められるようになった。
一生独身でも人生を楽しめるようになった。
家庭をもたなくても充実した時間を過ごせる人が、昔より増えた。
ひとりで生活するだけで手一杯。
子どもに迷惑をかけたくないなど。

そこで独身者とアルコール依存症について考えてみる。
「アルコール依存症は、家族やパートナーと一緒に治していきましょう」
そんなことが当たり前のように、お題目のように語られる。
俺も会員である断酒会では、年配者は既婚者や元既婚者が大多数で、
俺のように夫婦で例会に出席する人も多い。
だが最近は、その構図が崩れつつある。
俺と同年代、そしてその下の世代は一人暮らしの独身者のほうが多い。
断酒会の支部長や副支部長、会計の人も独身者だ。

頼れる相手が誰ひとりいない人間は、どうすればいいんだろうか。
そんな質問に答えてくれる人は、実のところあまりいない。
「孤独なアル中」に対するアドバイスや治療法は、この社会には少ない。
独りで居ると、様々な事情で悩み苦しみ連続飲酒が状態化していることを知る人は誰もいない。
家族もいなければパートナーと呼べるような相手もいない。
友人たちはみな家庭を持っているので、遠慮してこちらから連絡することはなくなる。
だから人間関係といえば仕事仲間だけ。

俺が吐血&下血で精神病院に緊急入院することになった時、
妻や姉が側に居なかったら、俺はあの時どうなっていたのだろう。
あの時、事前に妻が精神病院とのつながりを付けていなかったら、
救急車を呼んで総合病院に入院もしくは酒が抜けたら帰宅させられていたかもしれないし、
症状が納まったら、家でまた連続飲酒を再開していたことだろう。

独居、貧困、高齢化、それにアルコール依存症が加われば、孤独死も他所の話ではない。
現にコロナ禍で、俺が入院していた精神病院では、退院した人が何人も独りで亡くなったそうだ。
そういった「孤独なアル中」の人には既婚者以上に、入院時に習ったアルコール依存症治療の三本柱
1:抗酒剤、2:通院(プログラム)、3:自助グループが大切になってくると思う。
羞恥心を取り払い、勇気を持って病院や自助グループの門を叩いてみてはどうだろうか。
そうなると受け入れる側の自助グループも、いつまでも仲良しグループであってはならない。


つづく。


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