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嫌われたくない

一昨日、断酒会の昼例会に参加したと書いた。
そこでの、例会が始まる前のはなし。

断「七さん、最近夜の例会に来ていないねー」
俺「あハイ、早寝早起きなもので へへ」
 「夜だと、例会中に眠くなっちゃうんですよー(笑)」

俺は5年前から、4時に起きて9時には床に入るリズムを崩していない。
19~21時の夜例会に出席すると、帰宅して寝るのが23時近くになってしまう。
翌朝4時には朝のルーティーンが始まるので、
夜例会に出席するには、睡眠時間を割かなければならない。
朝のルーティーンは、1日の暖機運転の意味も兼ねているので欠かすわけにはいかない。
今の車は暖機運転が不要だが、旧式の俺の身体は暖機運転が必要である。
とにかく予定が崩れることを嫌うというより、それを怖がる俺は、
睡眠時間を削っても無理やりスケジュール通りに事を進めてしまう癖がある。
そうならないために予防線を張っているだけなのだ。

肝臓の病院の医師からも6~7時間は睡眠を取るように言われているし、
朝寝坊しようにも、枕元に置いたアラームが鳴る前から、
新聞屋さんのバイクの音を合図に、ネコたちが朝食の催促に来るので寝ていられない。
昼間の例会ならば、午前中のうちにその日の段取りを終わらせてしまえば、
「ちょっと他の現場に行ってくるね」とか、「夕方には戻るからね」とウソを言って、
当たり前のような顔をして抜け出すことが可能だ。ホントはダメだけど(汗)

アルコール依存症じゃなくても、大人なら誰でもウソをつく。
「あの人は表裏の無い人だね~」って、それこそがウソである。
人間、ウソや隠し事が無ければ世の中渡っていけない。
かえってアルコール依存症者のウソのほうが酒を飲みたいがためだけのウソだから、
泥臭くなくわかりやすく、シンプルでピュアなウソだとも言える。

常に自分の中で行動をスケジューリングするのが大好きな俺は、
もしものことを考えて、約束の時間より10~20分早く到着するように心がけている。
たまに30分以上前に着いてしまう時もあるが、時間に遅れて不快な思いをよりはマシだ。
「遅いよ!」、「何してたの?」、「だらしないな」
その言葉を恐れている、いつもビクビクだ。
それは相手を思いやるというよりも、相手のことを極度に意識してしまい、
自分が相手に「嫌われたくない」、「認められたい」という、自分本位な考え方から来る。
これも「承認欲求」のひとつなのかな?

まあ、自分に自信が持てていないんだろうね。


つづく。


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引き籠りオジサン

そろそろ休憩中にサッカーの話も出なくなってきた。
予選突破した時は、あんなに盛り上がっていたのに。
日本が負けるれば、にわかファンなんてこんなものだ。
まあ、メディアが騒ぎ過ぎていただけのことだが、
ブームとか流行とかって、一時的に人を狂わすよね。

犬を屋内飼いしている人のはなし、
ふらっと立寄ったペットショップで198万円の犬を見たそうだ。
コロナ禍での空前のペットブームとは言え、有り得ないような話だ。
俺が高校生のとき、先輩から無理やり12万で買わされたバイクも、
今じゃあ数百万だから、世の中狂ってるね。
でもそれは需要と供給のバランスがとれているわけだが、
マグロの初競りの縁起物としてのご祝儀相場とはまた違った意味がある。

先日のニュースに、ブリーダーと呼ばれる人は、
¥さえあれば、法の目を掻いくぐってやりたい放題できるのだそう。
有り得ないほどの他頭飼いや、動物虐待などは日常茶飯事なんだとか。
ペットを金儲けの道具としてはダメだよね。
憶測だが、うちの病弱なシロも、オッドアイ猫づくりの被害者だと思われる。


次の打合せまでの空白の1時間、暇つぶしにネットニュースを見た。
40代独身の10年間引きこもりの子供のことで困っている人のはなし。
本人は、一人暮らしをして自立したいらしいのだが、
「毎月お小遣い5万円でいいよ」と言っているそう。 ん~~~。
精神病院入院経験のある俺からしてみたら、
強制入院させて縁を切り、生活保護を受けさせれば就業意欲も湧いて手っ取り早い。
現に俺が入院していた時も、そういった人を数人見た。
でも親からしてみれば、困っているとは言いながらも「かわいい息子ちゃん」なのだ。
今は親の扶養に入っている間は年金や保険の心配はないが、「8050問題」があるからね。
バブル期を経験した団塊世代が、子供を放置してきたことが要因なのだろうが、
親はいつまでも元気ではないからね。
俺たちの世代は、バブルの残りかすを拾い食いしていたようなものだし、
ウチは親父が早くに倒れてしまったので、金苦労ばかりだったし、
ましてや俺たちの子供世代は俺たちよりもず~っとハングリーなので、
引きこもりなどしている余裕はない。

オジサン化した子供を甘やかしている親に問題があるのでと思うのだがね。


昨日は養生期間で現場は開店休業だった。
で、午後はポカ~ンと空いてしまったので、妻と自助グループの昼例会に行ってきた。
新しい人は居ず、顔見知りの人ばかりだったのでほぼ雑談だった。
とりあえず忘れられない程度の出席なので、俺的には掴みはOK!


つづく。


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「どん底付き」

俺は注射が嫌いだ。
あれだけ無痛のコロナワクチンも、点滴の針でさえも、
「ハイっ打ちますよー」と言われると、手汗をかき鼓動が激しくなる。

自分の不注意でケガを時は、全ての責任が自分にあるのであまり痛いとは感じない、
と言うか、痛いと思ってはいけないといった発想になる。
要は、他人に痛くされるのが嫌いなのだ。
その最たるものが、去年椎間板ヘルニアが発症したときのブロック注射だ。
あまりの激痛に大声で叫び、のたうち回った。
あの痛みを二度と味わいたくないから、毎朝のストレッチは欠かさない。

その点、内臓や脳の手術の時には全身麻酔で眠らされた上に、
詳しく調べたわけではないが内臓には痛点が無いらしく、術後も患部は痛くなかった。
あまり考えたくないことだが、もし再発してガンの摘出手術をすることになったとしても、
手術に対する恐怖心は微塵も無い。

これをアルコール依存症に当てはめてみよう。
深酒をすると、二日酔いによる頭痛はあるが、
どんなにアルコール度数の高い酒を飲んでも、舌や胃に痛みは感じない。
逆にジリジリ焼ける感覚を楽しんでいたりする。
5年前の末期症状のころ、酒の飲み過ぎで胃が裂けて吐血下血した時も痛みはゼロだった。

断酒を始めようと意気込んでも、
「健康のために酒をやめよう」とか、「お小遣い節約のために酒をやめよう」
その程度の意気込みでは、うちの妻のダイエットと同じように、
三日坊主で、なかなかうまくは行かないものである。

それが、「飲むと人を傷つけるよ」とか、「次は警察に捕まるよ」とか、
極めつけには俺みたく、「飲んだら死ぬよ!」と言われれば、
否が応でも年貢を納めざるを得なくなってしまう。
実際に、俺と同じ肝硬変を持ちながらも再飲酒が止まらずに亡くなられた人の話も居る。

アルコール依存症者が、「底つきを経験しないと酒はやめられない」と言われるのは、
そういった切羽詰まった究極の選択をしなくてはならなくなるからだ。
本人の断酒の意志が大前提ではあるが、
酒に脳が支配された依存症者にとって、酒を取り上げられるということは、
そこまでの覚悟と努力が必要になってくる。

最近では、「底つきは必要ない」、「底つき経験は有害だ」と言われ始めている。
「もうこれ以上失うものはない」という状態を底つき体験と呼んでいる場合が多いが、
そこまで深刻化してしまうと様々なものを再獲得するのも大変だし、
重症化していることも多いので、死亡のリスクや身体的なダメージも大きくなる。
だから、何かを失う前に治療や回復を始めたほうが良い、
という意味で「底つきは必要ない」と言われている。

だが、8月31日になって切羽詰まらないと夏休みの宿題を始めない子供が多いのも事実。
俺のように、「底つき」を通り越して、
寿命を縮める羽目になってしまった「どん底付き」を経験する前に、
手遅れになる前の軽傷のうちに気づいてもらいたい。


つづく。



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字がミミズ

昨日の続き ↓
今日は、入院中に書いたノートとカレンダーへの書き込みをもとに振り返ってみる。

昨日書いたように、入院手続きをしようにも手が震えて自分の氏名も書けないほど、
自分の足で歩こうにも立ち上がることもできず、車いすで入院するほど、
俺のアルコール依存症は末期的症状(底つき)だった。
それに脳ミソも身体もボロボロで、ショック死の可能性もあり、
医師から「72時間以内に変化があったらもしものことを考えておいてください」
とまで言われていた。

最初に入った保護室では、筆記用具を持たせてもらえなかったので日記は書いていない。
その後閉鎖病棟に移った4月25日から、日記とスケジュール表を書き始めている。
文字は力のないミミズみたいな字だ。
日程表を工程表と書いている。
日記には保護室のことを別館、閉鎖病棟のことを本館と書いている。
当時、夢と現実の区別がつかず、病院のロビーには赤いじゅうたんと
周り階段と吹き抜けにはシャンデリアが吊られていると書いてある。
まるで温泉地の観光ホテルと勘違いしているようだ。

スケジュール表には毎日の大小便の回数、起床就寝、食事、投薬の時間と、
風呂の時間が書いてあった、風呂は週2回で男女別だった。
それに、衣類、日用品、マンガ本など、面会で妻に持って来てもらう物リストがあった。
携帯禁止なのでテレホンカード、精神病院がゆえ自殺防止のため、
長い靴下は禁止なので短い靴下、
コードやベルトなどのひも状のものも禁止なので電池、腰ゴムのズボン。
もちろんカッターナイフやハサミも持ち込み禁止だ。

閉鎖病棟にいる間は、書き損じも多く文字も荒れている。
それに、書いている内容も支離滅裂だ。

入院して2ヵ月が経ち、SMARPP-24の勉強を始めたころから文字に力が入って来た。
42度の謎の高熱が下がったころから、現在俺が書いている文字に近づいている。
書いている内容もまともになった。

文字と思考がはっきりし、現実を受け止められるようになってからは、
「早く子供たちに会いたい」「早く退院して社会復帰したい」という欲望が湧いて来た。
それと同時に、忘れていた飲酒欲求も戻って来たが、病院には酒が無い。
当時の精神病院の入院病棟には喫煙室があったので、喫煙欲求も生まれた。
だが、もうその頃はアルコール依存症についての勉強を始めていた。
それに断酒プログラムも始まっていたので、「酒は毒」という意識のほうが勝った。

俺と同レベルに酒浸りになってしまったら、精神病院の入院は正解だったと確信している。
ただその入院も自発的ではなかった。すべて妻が準備してくれた。
末期症状の俺は、そこまでの思考能力は持ち合わせていなかった。
今更ながら、家族や周りの人が居たから俺の命は救われたと思っている。

つづく。


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精神病院入院の記憶

精神病院入院直前から5ヵ月間の体調の変遷を、おぼろげな記憶をもとに振り返ってみる。
このように、たまに初心に戻ってその当時のことを忘れないようにしている。

平成29年(2017年)4月
連続飲酒がいつごろから始まったのかは定かではないが、
入院1週間前くらいから腰が立たなくなり始め、酒の買出しに行けなくなった。
焼酎は以前に箱買いしてあったので、備蓄酒にはあまり困らなかった。
空いたペットボトルを捨てに行けなくなり、部屋に山積みして毛布を掛けて隠した。
寝ている状態から立ち上がるのも困難なくらいふらついていた。
食事は朝晩2回用意してもらっていたが、ほとんど口を付けられずに捨てていた。
そのころ、次女の大学入学、末っ子長男の高校入学と重なり、
妻も忙しく、俺はほとんど放置状態だった。
子供たちの人生の節目のときにも、無気力な俺はそれに携わろうとしなかった。

入院3日前から、妻の肩を借りないと歩行が困難になった。
入院前日、ついに備蓄酒が無くなり、夜中に料理用ワインをキッチンからくすねた。
その日の晩から翌朝にかけて、そのワインを1本飲み干した。
辺りが明るくなったころ、突然の吐き気に我慢できなくなり窓から顔を出して裏庭に吐いた。
飲んだのが赤ワインだったので、それが吐血だと気づかなかった。
その直後、今度は激しい便意に襲われた。この感じは下痢だなとわかった。
急いでトイレに向かったが足がふらついて、たどり着く前に少し漏らしてしまった。
妻の介助もありようやくトイレにたどり着き、汚れたパンツを窓から裏庭に捨てた。
用を足しながらも次々に襲ってくる便意と吐き気、
便器の中と抱えた洗面器は血で真っ赤に染まった。
俺がトイレに籠っている間に、妻は前もって相談していた病院に電話をしたそうだ。
一時的に吐き気と便意が収まり、便器を掃除していざ立ち上がろうとしたが立てない。
しかたなくほふく前進でトイレから脱出したところで布団に寝かされた。
便意は収まったが吐血はその後も続いた。
病院からの指示で緊急入院となった。病院窓の道中も洗面器を抱えて吐きっぱなしだった。

病院では入院手続きをしようにも手が震えて自分の氏名が書けなかった。
入院初日から12日間は、ガッチャン部屋と呼ばれる鉄柵と鍵付きの保護室。
部屋の中にはフタの無い便器とせんべい布団だけで、餌付けされながら過ごした。
その後2ヵ月間、閉鎖病棟で睡眠以外は食事と排泄だけの日々を過ごした。
そしてようやく開放病棟に移され、断酒プログラムを開始したが
俺の症状は重くまだ夢と現実の狭間に居た。そしてもう一度閉鎖病棟に1ヵ月間戻された。
その後2度目の開放病棟への引っ越しを済ませ断酒プログラムに入った。
だがそこで原因不明の高熱(42度)に見舞われ、今度は特別室という個室に移された。
熱も下がり、特別室滞在が7日を超すと別途料金が発生することを知り、
ナースステーションに申し出て、開放病棟に戻らせてもらった。
3度目の正直、ようやく断酒プログラムを開始することが出来た。
そしてその1ヵ月後、5か月に及ぶ入院生活に終止符を打ち退院することになった。
なお、精神病院入院中も、肝臓の病院への通院も頻繁に行っていた。

明日の日記もこの続きを書く。


つづく。


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代々酒好き

部屋が明るくて起きてしまった。
隣では妻がサッカー観戦中だった。
すっかり朝モードに切り替わってしまった。。。

以前、俺の性格について、
お祭り男でみんなとワイワイやっているのが大好きだと書いた。
そのほかにも病気に繋がる性格はないかと再考してみた。

プライベートでは、ワイワイ騒いで楽しむのは好きだ。
団体行動では、一歩引いてNO,2 No,3が居心地よい。
〇〇長よりも、副〇〇長といった中間管理職的なポストを好む。
上から命令するより、上下からの意見を汲んで中和する役割が合っているのだと思う。

俺は学生時代に応援団部に所属していた。
主役の選手たちを裏から持ち上げるといった自己犠牲的な精神は、そこで培われたのだと思う。
そう言えば聞こえは良いが、要は決定権の無いところに自分を置くズルい奴だということだ。
そんな性格は、仕事面で常に責任を背負わされているところから来る反動なのかもしれない。
仕事でも、「これを頼んだら相手は気を悪くするかな?」
「準備が整っていれば気分良く仕事してくれるかな?」と、事前についつい自分で動いてしまう。
文句を言われても、自分の体内で吸収し消化してしまう悪いクセがあるので、
たまに消化不良を起こして大爆発してしまう。

個人行動では、他人に邪魔されずに自分のペースでできるので、
がむしゃらになり、つい度を越してしまう。
乗ってくると何日も貫徹してデスクワークをしたり、動けなくなるまで肉体労働をした。
その影響で無理が祟って大ケガをしたり、
持病のヘルニアが悪化して何ヵ月も動けなくなったりもした。

お祭り男の性格は、我が家の代々受け継がれる家系みたいなところがある。
俺が4歳の時に亡くなった祖父は、男気がある反面、喧嘩っ早かったと聞く。
だいたい喧嘩の中心には俺のおじいちゃんが居たとよく聞かされたものだ。
幼少期のころからそれを見て育った俺の親父は、反対に人当たりが良く敵の少ない人だった。
おじいちゃんは大っぴらに酒を飲んでいたが、親父は家では飲まずに外で憂さ晴らしをしていた。
親父が60代前半で倒れてからは、その代役で俺が各種会合に出席するようになったのだが、
家では見せたことのない、外での親父の武勇伝をよく聞かされたものだ。
家の中では借りてきた猫みたいな立ち振る舞いをしていたのに、「役者だな(笑)」と思った。
キレて爆発するところは、おじいちゃんに似て、
家では静かに飲み外では羽目を外す俺の飲み方は、親父に似ているのかもしれない。

祖父は脳溢血で、父は糖尿病から脳梗塞、俺はくも膜下出血と肝硬変と肝臓がん、
当時はアルコール依存症という言葉を聞くことは無かったが、
祖父も父も俺と同じ病気だったのかもしれない。

結局代々みんな、「酒」が絡んでいるじゃねーか。


つづく。


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病気だからと甘えずに

俺のアルコール依存症についてもう一度考えてみた。
俺はこの作業を定期的に行って、あの頃を忘れないようにしている。

幼少期のころから俺の周りでは人が集まると常にそこには酒があった。
田舎でそれしか楽しみが無いと言えばそれまでだが、周りの大人たちは酒を囲んで楽しそうだった。
その光景がとても羨ましく感じ、俺も早く大人になって酒が飲みたいと思っていた。
同年代の先輩や友人たちも同じことを思っている者が多く、
高校生のころから隠れてみんなで飲んでいた。
「なんでこんなまずいもの飲むの?」と思いながらも、
「この味に慣れて早く大人の仲間入りがしたい」とも思っていた。
その行為は、少し罪悪感もあったが、なんとなく大人になったような気がした。
就職してからは、水を得た魚のように時間を見つけては夜の街に繰り出した。
親父が早くに倒れ、親父の代役でいろいろな会合に出始めたころには、
「仕事には飲みニケーションも必要だ」と勘違いしていたころもあった。

単なる酒好きならば、ある程度でブレーキが効くところだが、
当時の俺はいろんな壁にぶつかり、逃げ道を酒に求めた。
そして49歳のときに底つきを経験し死にかけ、断酒生活を余儀なくされた。
ざっと振り返ればそんなところだが、断酒を始めてアルコール依存症を勉強し始めたら、
これは精神病なんだということがわかり、そこで俺はなぜか安心してしまった。
「病気なんだからしょうがない」って。

病気だと思えば、少し気が楽になって先に進める気がした。
医師や家族、断酒会の人たちもそう言って励ましてくれた。
しかしそれは「励まし」ではなく「哀れみ」だったのではないかと最近思い始めた。
仕事上の付き合いの人は、俺の病気を知っているのだろうがその話題には決して触れて来ない。
「病気」ということになると有識者たちは、
アルコール依存症について様々な分析をし、治療法や回復法を提案する。
だがそれは一般論に過ぎず、過去や現在の症状、個人の持つ性格は人それぞれ全く違うものであり、
一言で片づけられるものではない。

俺が最近感じていることは、
「病気を理由に甘えすぎていたんじゃないか?」
「病気のせいにして逃げていたんじゃないのか?」ということだ。
社会では辛いことや不安に思うことがあっても、
大多数の人が酒やギャンブル、薬物に依存せずに頑張っている。
「依存症は意志が弱いからではない」と言われているが、
病気だということにあぐらをかいているのではないのか?
世間は「病気だからしょうがない」と、許してくれるほど甘くないと思う。
原始的な「断酒根性論」も、少しはアリだとも思う。
依存症は、病気だからと守られるものではない。
個人の努力なくしては、回復の道は開かれないと思う。
三度の食事より大切だった酒を断つということは、並大抵の努力では挫折しかねない。
俺は原始人だから言うが、
病気のせいにして「辛抱・根性・努力・我慢」の精神も捨ててはいけない。

これを公の場で言うと、反感を買うだろうな。


つづく。

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「自助」と「共助」

あっという間に令和4年も師走に入った。
毎年思っていることだが、今年も終わるのが早い。
学校に通う子供が家に居ないと、季節感を感じられなくなる。
それに、コロナ禍で年間行事も少ないので尚更だ。
気温の低下と周りの景色でしか、冬を感じられない。
今朝、今期初めて車のボンネットがキラキラ凍った。
いよいよ寒くなって来た。
もしもの降雪に備えて、そろそろ冬用タイヤに交換だな。
そういえば昔はスパイクタイヤがあったよな。
粉塵被害さえなければ、あのグリップ力なら安心して運転できるのにな。

昨日の「アルコール依存症の否認」のつづき ↓

自助グループの例会の体験談では、「第一の否認」についてのことが多い。
例会での発言のほとんどが、飲み始めから断酒するまでのドロドロとした話だ。
しかし、自助グループの存在意義は、
まず酒をやめることは当然であり、次にその上に新しい人生を築くところにある。
シラフでは生きてこられなかった自分を認めることが大切なのである。

そもそもアルコール依存症にとっての「自助」とは、
酒害者が自らの抱える問題を努力して解決改善しようと言う意味である。
努力して断酒を継続し、回復していくと言うことだ。
その努力は、グループの仲間とのかかわりと言った「共助」の中で長期的に可能になるものであり、
その意味で自助グループは「自助」と「共助」両方を持つものである。

「断酒会が生きがいだ」と言って、出席回数自慢をしているサンデー毎日のベテランさんの話は、
ニュースと散歩と草むしりのはなしばかりである。
たまに酒の話をしたと思えば、「なんだ、またあの話か」と、
何度も聞いたことのある飲酒時代の武勇伝だったりする。
出席回数を増やしても、仲間に会って雑談することが主目的では、
単なる暇つぶしにしか見えない。
それでは、これから断酒をしようと勇気を出して意気込んで参加した人も、
なかなかその輪の中に入りづらい。
そのような状態では、断酒会の持つアルコールケアシステムが、
否認や自発性問題を解決できないのではないか?

そもそも、俺が断酒会に入会するきっかけとなったのは、
入院していた病院の医師からの勧めであったり、家族である妻の勧めがあったからで、
自発的に入会したわけではない。
精神病院を退院してから、何のためらいも無くすぐに断酒会に入会したので、
子供が地元の小学校から地元の中学校に入るのと同じような感覚だった。
そんな入会のしかただったので、後からいろいろな疑問が湧いて出て来た。
コロナ禍も手伝って、数年前からたまにしか例会出席はしていないが、
アルコール依存症をはじめとする精神疾患についての勉強は欠かしていない。
コロナ禍で例会が開かれなかったことが逆に、病気についての自習時間を与えてくれた。
ネット上での同じ病気の仲間も増えたし、このブログも続けられている。
答えは一つじゃないし、いろんな回復方法があっても良いと考えている。


つづく。


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第二の否認のその先

第一の否認は、「自分がアルコール依存症であることを認めない」という否認であり、
第二の否認は、「自分は酒さえ飲まなければ、何の問題もない」という、
自分の責任を酒に押し付けてしまう否認である。

このブログでも述べている第二の否認とは、「飲酒を止めれば全て上手くいく」、
「飲酒をしなければ何をしてもいい、飲酒をしなければ全てのことは許される」という否認だ。
諸悪の根元は酒であり、 その酒を断ったので一件落着…そう思いたいのだ。
第二の否認から脱却出来なければ、飲酒時代と変わらない思考や行動パターンを繰り返す。
心は不安定なのに酒は飲めず、我慢の断酒を強いられるといった苦しくまた危うい状態だ。
「認める」とは、依存症になるまで飲まなければ生きて来られなかった…
この事実を認めることなのである。

また、断酒は継続しているけれど、
飲酒していた時と同じ感情や行動パターンが生じることがあって、
それを酔わない酔っぱらい(ドライドランカー)とも呼ぶ。
そのようなことが少なからずあるということも肝に命じておきたい。

過去を振り返ると、俺にとっての否認は上に挙げた定義とは少しずれているような気がする。
実際、俺の酒好きは周知の事実で、「病気になったら酒やめるよ」と言っていたし、
手が震えるようになってからは、「たぶん俺はアル中なんだろうな」と気づいていた。
ただ、ヤバいと気づいていながらも隠れて飲み続けていた。
底つきを経験し精神病院に入院してからは、飲酒欲求は一切起こらなかった。
だが、「飲みたくなったらどうしよう」という不安は常に感じていた。

第二の否認の、「飲酒をしなければOK!」という感情は無く、
「俺は間違っていた、断酒をして早く元の社会に戻りたい」と言う気持ちのほうが先行した。
なので、型にはまった「第一の否認」、「第二の否認」については、
いまいちピンと来ないというのが本当のところだ。

健康体のアル中ならば、そういった飲酒欲求も起こるのかもしれないが、
俺の場合は、肝硬変と肝細胞ガンがあるので、
【飲んだら死ぬ】といった恐怖心から、飲酒欲求が起きないだけなのかもしれない。
だから尚更、「残された命を有効に生きよう」と、生き急いでいるのかもしれない。

昔から「余った時間がもったいない」という性格ではあったが、
断酒を始めた5年前からは、以前にもましてスケジュール表を真っ黒に埋めようとして、
その行為に生きがいを得ようと焦っている自分がいる。

実はこれが、最もアルコール依存症になりやすい性格でもあるのだが。


つづく。


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ハイブリッド免疫

コロナは第8波のケルベロスが増えている。
ケルベロスって、たしか頭が3つの犬だったような?
コロナもおかしな名前を付けるよね(笑)
感染経験者も増え、徐々にインフルと同じような捉え方の人が増えたような気がする。
ワクチンを何回打っても感染するし、無症状の人も多いし、
「風邪だ!」と言って、バックレの人も多いと聞く。
今年の春までは、コロナを理由に工期延長を許してもらえる現場もあったが、
withコロナになってからは、なかなかこちらの言い分が通らなくなってきた。

感染による自然免疫とワクチンによる免疫の両方があると、高い防御力を獲得し、
「ハイブリッド免疫」とも呼ばれ、感染歴のある人がワクチンを1回接種すると、
感染歴のない人がワクチンを2回打った場合と同等か、
それ以上の抗体の量があるとのデータもあるという。
てことは、感染しても無症状だった人がワクチンを打つと無敵?
一度も感染していない人のほうが弱い?

なんだかよくわからなくなってきた。


先日、政府はプロスポーツやコンサートのチケット販売に、
マイナンバーカードの活用を検討していると言うニュースがあったが、
今度は、セルフレジで酒・たばこの年齢確認にマイナカード利用を検討しているそう。

だから違うんだって。
そもそも自分の身分証明のマイナンバーカードを日常遣いするのは、
素人考えからしてもセキュリティ面で問題があると思う。
はたしてマイナカードはスーパーのセルフレジで提示して良いものなの?
個人情報すし詰めで個人口座紐づけのものを常時携帯するのは抵抗がある。

マイナンバーカードは行政が発行するものなので、
使用用途は行政に関係するものに限定したほうがシンプルだし、
そうしたほうが普及率も高まると思う。
健康面や経済的理由から、酒もタバコもやらない人が多くなっているのだから、
セルフレジ前でマイナカードを提示する人が何人いるだろう。

マイナンバーカードの普及のために様々な利用方法を検討しているところが、
管理に対して不信感を持たれて逆に普及させない方向に向かっている気がする。


つづく。


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