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焼酎ペット4L

妻のお供でドラッグストアに買い物に行った。
酒売り場にうず高く積まれている焼酎ペットボトルの山を見た。
年末年始の買い溜め用かな?
俺が買っていたころよりもチョイ高くなっているなと、
最近では値段のチェックをする余裕もある。

アル中の最終的に行き着く先は4Lペットだと思う。
買い置きができるし長持ちするなどの利点もあるが、
なんといっても安価であること。
アル中にはこれが重要になってくる。
アルコール依存症になると、とにかくアルコールが食事や飲料水替わりの流動食であり、
飴やチェーンスモーカーのタバコのように、身の周りに「酒」を置いておかないと安心できない。
「酔いたい」とか、「味を楽しむ」といった次元を超えてくるので、
とにかく安価で、濃度は身体の調子によって水で割って調節できる。
無くなったから買いに行くだけ、それの繰り返し。
家にないなら飲まないといった考えでは皆無である。
アルコール依存症末期症状で病院に担ぎ込まれた俺が言うのだから間違いない。

キッチン収納に、お値段高めのバーボンや日本酒を貯蔵して、
記念日や節目の時に「自分へのご褒美」と、ちびりちびり飲んでいたころもあったが、
それは単なる「酒好き」であって、まだアルコールに依存していない状態である。
「酒ならば何でも良い」になったら注意信号、
「飲んでも酔わなくなってきた」になったら危険信号、
「酒が無いと生きていけない」になったらもうアウトだ。

当時、俺が気づかなかったことは、4Lペットを買う時の他の客の目だ。
当時の俺は、店員に顔を覚えられるからと、毎回酒を買う店をローテーションしていたが、
他の客の目は気にしていなかった。
たしかに、取っ手を持ってアレだけをレジに出す姿を見れば、
「あ~あの人は・・・」って思われるよな。
ただ、最近は容易にネット購入ができてしまうので、
アル中への近道になっているのではないだろうか?

脳はアルコールに支配されているが、とにかくバレることだけが怖い。
1月の消費量を熟知し、財布の中身と相談して綿密に計算している。
人に隠れて酒を買い、消費したら空容器の捨て場所まで考えている。
しかし、必ずその計算が出来なくなってくる時期が来る。
部屋から出なくなり、容姿も臭いも、乱雑な部屋も気にしなくなる。
頭と身体が麻痺して、付いていけないのだ。
俺の経験上、入院までの2ヵ月間くらいがその状態だった。
底つきの状態でも、周りの人に発見されるまで本人はその生活を止めることが出来ない。
その発見が遅れてしまうこともあるので、やはり人との関係は断ってはいけない。


つづく。


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