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依存症予備軍

アルコール依存症者の9割は自覚がない。
日本には約900万人の“アルコール依存症予備軍”がいると考えられている。
その内訳は、アルコール依存症疑いが約300万人、問題飲酒者が約600万人だ。
アルコール依存症者の数はおよそ100万人と言われているが、
依存症者と予備軍の境目はグレーソーンだ。
ごく普通に働いている人の中にも、無自覚なまま依存が進行している人は少なくない。
もしかして自分もグレーゾーン?と、 
飲酒の習慣がある人なら、自分のリスクレベルがさっそく気になるところだろう。

当時俺も「酒は百薬の長」を言い訳に好き勝手に飲みまくっていた。
気の合う仲間と酒を飲むと楽しいし、目上の人とも流暢に会話が出来た。
辛い時、ムカついた時には鎮静剤ととして役に立った。
マイナス面は睡眠不足とたまの二日酔いくらいだった。
健康面の不安など微塵も感じたことは無かった。
酒宴のたび、妻からの「あまり飲み過ぎないでね」は、「行ってらっしゃい」と同義語ど捉えていた。

地域性もあるが、俺の周りは人が寄ればそこには常に酒があった。
アルコール抜きの飲食の場だと不足感があり、楽しめなかった。
アルコール以外の飲食の場では楽しくコミュニケーションできなかった。

「毎日飲んでるの?ちょっと飲みすぎじゃない?」と指摘されても、
「俺は大丈夫」と言いながら、内心飲み過ぎなことは気が付いていた。
だから苦し紛れに「病気になったら酒やめるよ」と軽く答えていた。
そしたらホントに病気になってしまい現在に至っている。

もともとの性格が頑固で人の話を聞かない人ほど否認傾向が見られ、本物の依存症に移行しやすい。
逆に、注意されたとき「たしかにちょっと飲みすぎだった」と認められる人は、
依存症にはなりづらい。

アルコール依存症は中年男性の病ととらえられがちだが、
20代や30代の若い層にも多く、最近は若い女性が治療するケースも目立っている。
その背景に、コスパのいいストロング系飲料の存在がある。
ストロング系チューハイは悪魔の飲み物であると言える。
甘くて口当たりがよく、それに炭酸が高いアルコール度数を感じさせない。

依存症が進行すると、「飲んでいれば幸せ」という不健康な思考になる。
そして、いざ依存症と診断されると、
断酒して「シラフのほうが幸せ」という思考や生き方に転換する。

底つきを経験し、生死の狭間をさまよい、精神病院に入院し、
おまけに肝硬変と診断され、肝細胞がんにもなった。
「もう少し早く気づいていたら」と悔い止まない毎日が続いている。

これが今の俺だ。


つづく。


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