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ドリームハラスメント

ドリームハラスメントという文字を最近よく目にする。
学校の提出物や先生から「将来なりたいもの」を聞かれ、困ってしまう子供たちが多い。
「夢」という言葉は多くの大人にとって、大切な言葉として扱われている。
教師にも、子どもには夢が必要と考える人がたくさんいる。
しかしこれが、「夢の押し付け」になっていることが少なくない。
子ども側からすれば「夢を持ちなさい」という命令に聞こえ、大きなお世話となってしまう。

自営業長男の俺は、幼少期から家族からも周囲からも、
「お前は家業を継ぐ」とマインドコントロールされた。
学校で将来なりたい職業を聞かれ、プロ野球選手やスチュワーデスといった夢を語る子がいる中で、
「家の仕事を継ぐ」と言うと、なんだか先生からも「そうだろうな」みたいな顔をされた。

高校受験の時、すっかり洗脳されていた俺は工業高校を第一志望にした。
しかし親からも担任からも反対され、進学校に進むこととなった。
後々考えてみると、それは親のエゴと教師の点数アップのためだと気づいた。
高校時代は部活に夢中になり、大学受験も気が進まなかった。
その裏にはいつも、「どうせウチの仕事を継ぐんだから」があった。
反抗しても親からは、「誰に育ててもらっていると思っているんだ」と言われた。
早く自分の手で稼ぎ、一人前になって文句を言わせないようになりたかった。

就職活動では学校からは大手を勧められたが、地元の親戚筋の建設会社を選んだ。
親父も、俺が家に引っ込んでからの仕事上の繋がりが持ちたかったのだろう。
そしてその会社に就職し6年が経ち、やっと仕事が面白くなってきたころ、
「そろそろ家に戻れ」と言われた。
結婚もしたし、親も60歳を過ぎていたので、すっかり洗脳されていた俺は、
家の仕事を一から学ぶにはちょうど良い時期だと思った。
しかしその半年後、親父は脳梗塞で倒れ、その後15年間ベッドの上だった。
ウチの子供たちも、ベッドに寝ているおじいちゃんしか知らない。
俺は家業を継いだものの、仕事の手順も仕事上の付き合いも全てが手探りで、
右も左もわからず、何にでもチャレンジし、失敗も多く経験した。

俺は子供たちが小さいころから、
「家の仕事は継ぐなよ」、「将来どこに住んでも良いよ」と言っている。
自分の将来は自分で決めてほしかった。
俺みたいな学校選びや職選びをしてほしくなかった。

俺は、20歳を超えた子供たちのことを一人の大人として見ている。
4月には末っ子長男の就職が決まり、授業料も仕送りも終わり扶養から外れる。
自分の力で稼げるようになったのだから、後は転職しようが結婚しようが子供を持とうが、
それは子供たちの判断に任せる。
これからの時代は、親からの押し付けは子供の可能性を潰す。
日々変化し続ける世の中、
子供たちには幅広い選択肢の中から自分に合った生き方をしてほしいと思っている。


つづく。


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