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あの頃コロナだったら

俺がアルコール依存症で精神病院に強制入院させられたのは4年前の4月。
その半年前くらいから、ポカンと穴が空いたように仕事量が激減した。
それまであった年度末の忙しさがその年には無く、
毎日を掃除、片付け、不毛な営業活動に費やしていた。
それがパターン化してくると、半日もあればその日の分は終わってしまう。
久しぶりにスロットでも打ちに行こうとホールに出かけたが、
約20年のブランクはデカかった。
俺が打っていたころとは仕様も機種も変わってしまい、手出しができない。
それに、「スロットの生涯収支はプラス200マソだ!」と自慢していたこともあり、
お金をドブに捨てるようなマネはできなかった。

ギャンブルに魅力を感じなくなると、残された楽しみは「酒」だけだった。
仕事が減っても、毎日の晩酌は欠かさなかった。
飲酒は夜だけには留まらず、ヒマと罪悪感と戦いながら弱い自分は、
夜中の焼酎 → 昼ビール → 早朝の焼酎 と、エスカレートしていった。
人と会うときには半日の禁酒、マスクとガムとミント系の飴が必需品だった。
4L焼酎の買い出しは夜中のコンビニと24hドラッグストア
当然、飲酒運転もしていた。

年明けから約3カ月間、巣篭もり状態で連続飲酒をしていたら、
身も心もズタズタになり、血ヘドを吐いて下血をして病院に担ぎ込まれた。
もし、コロナが4年前に流行していたら、
今ごろ俺は、この世に存在していなかったかもしれない。
周りの人たちも当然のように巣篭もり自粛している昨今、
単なる「酒の飲みすぎ」で、片づけられていたかもしれない。
俺の身体の異変には気付いてはもらえなかったかもしれない。
「みんな自粛生活で我慢しているんだ」と言われれば、
アル中のことなんか二の次で、
「そんなヤツ構っていられない」ということになっていたかもしれない。

あの時入院出来たおかげで、アルコール依存症に加えて、
肝硬変CP分類Cも発見することが出来た。
生きる勇気が湧いてきた。
まあ、半年前にはアルコール性肝臓がんにもなってしまたわけだが、
断酒も継続して、日々の生活にも気を付けている。

4年経った今でも、白い目で俺を見る人はいると思うが、
それをこれから生きていく上での自分への戒めとして、
生きられるだけ生きて行こうと思っている。


つづく。


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